トランプ大統領の関税でアメリカ国内での商品の価格がまもなく値上がりし始めると大手小売店が警告 – GIGAZINE


メモ


2025年3月3日に、アメリカのドナルド・トランプ大統領がカナダとメキシコからアメリカに輸入される製品に対して25%の関税を課すこと、中国からの輸入品に新たに10%の追加関税を課すことを発表しました。これを受け、大手小売店のTargetや、家電量販店のBest Buyは「値上げは避けられない」と発言しているほか、トランプ大統領の就任によって高騰した株式市場が大きく下落する可能性が危惧されています。

Best Buy and Target CEOs say prices are about to go up because of tariffs | The Verge
https://www.theverge.com/news/624254/best-buy-target-raise-prices-tariffs


Canada to Cut Off Electricity to US States: ‘Need to Feel the Pain’ – Newsweek
https://www.newsweek.com/canada-cut-off-electricity-us-states-need-feel-pain-2039125

The stock market’s Trump bump becomes a Trump slump
https://www.axios.com/2025/03/04/trump-bump-slump-stock-market

Parts of US Treasury market show concern about Fed rate-cutting pause | Reuters
https://www.reuters.com/markets/rates-bonds/parts-us-treasury-market-show-concern-about-fed-rate-cutting-pause-2025-03-04/

トランプ大統領は2025年3月3日に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、カナダ・メキシコで生産された製品をアメリカに輸入する際には25%の関税を課すことを発表。そして翌3月4日に関税が発動されました。同様に、2025年3月4日からは中国に対する追加関税をさらに10%上乗せして、20%にする大統領令も発表されています。

Targetでは衣料品や生活雑貨に加え、果物や野菜の販売を行っています。Targetで販売される多くの果物や野菜はメキシコから輸入したもので、今回の関税発動を受け、Targetのブライアン・コーネルCEOは「これらのカテゴリーでは、できる限り価格を維持するよう努めていますが、今後数日間のうちに値上げに踏み切る可能性が高いです」と述べています。

また、家電量販店のBest Buyは以前の決算説明会で、「中国とメキシコがBest Buyのサプライチェーンにおける上位の供給源で、Best Buyで販売される製品の約55%と20%が中国ならびにメキシコから供給されたものです」と報告しています。そのため、今回の関税発動はBest Buyにとって大きな痛手となり「当社製品のベンダーは関税コストを小売業者である我々に転嫁すると予想しています。これに伴い、アメリカ国内では製品が値上げされる可能性が非常に高いです」とBest Buyのコリー・バリーCEOは語りました。


トランプ大統領による関税に対して、カナダ、メキシコ、中国の政府はそれぞれに対抗措置を実施することを発表しています。さらにカナダ・オンタリオ州のダグ・フォード知事は「カナダで生産されたエネルギーがニューヨーク州やミシガン州、ミネソタ州に住む150万の家庭と製造施設の明かりをともし続けています」と述べた上で「もしもトランプ大統領が私たちの経済を破壊するつもりなら、我々はアメリカへの送電を停止し、他の州にも同様の行動をとるよう奨励するつもりです。彼らは私たちのエネルギーに頼っています。彼らは一度痛みを感じるべきです」と宣言しました。

今回の関税措置の発動は、アメリカの株式市場ならびに景気に多くの悪影響を及ぼしています。2025年3月4日のニューヨーク株式市場では、関税措置の発動を受けて売り注文が広がり、ダウ平均株価は一時800ドル(約12万円)を超える下落となり、終値は前日と比べて670ドル25セント(約10万500円)安い、4万2520ドル99セント(約637万円)となりました。海外メディアのAxiosは「現在のアメリカの株式市場は、トランプ氏が2024年11月に大統領選挙で勝利したときや、2025年1月20日に就任したときに比べて低くなっています」と指摘しています。

また、イーロン・マスク氏が主導する「Department of Government Efficiency(DOGE:政府効率化省)」は、「アメリカ政府の無駄を排除する」ことを目標として掲げており、政府支出を削減するためにさまざまなプロジェクトの見直しや職員の解雇などを進めています。こうした取り組みに対し、アメリカ政府職員内では解雇に対する不安が広がっており、失業率の上昇と支出の引き締めなど、アメリカの経済成長に対する懸念が高まっています。

一連の経済成長の鈍化に伴い、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ再開を一時的に先延ばしにする懸念が高まっており、カナダの金融サービスプロバイダーであるTD Securitiesの金利ストラテジストであるヤン・ネヴルジ氏は「アメリカの市場は、トランプ大統領の就任によって経済が成長するという過剰な熱狂から、再び経済活動が鈍化するかもしれないという危機感に変わりました」と指摘しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする


ソース元はコチラ

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事