オーストラリアで最も多くの献血をしたジェームズ・ハリソン氏が2025年2月17日に88歳で亡くなっていたことが明らかになりました。ハリソン氏の血液には特殊な抗体が含まれており、50年以上にわたって1173回の献血を行い、240万人以上の赤ちゃんを救いました。
ハリソン氏は14歳の時に病気で片方の肺を切除しており、その手術の際に約7リットルもの血液を輸血してもらったことから恩返しとして献血を決意。1954年、法律的に献血が可能になる18歳に到達すると同時に献血を行い始めました。
ハリソン氏が献血を始めてから約10年が経過したときに、ハリソン氏の血液に特殊な抗体が含まれていることが判明。科学者がハリソン氏の血液を元にRh血液型不適合の予防に用いられる抗Dヒト免疫グロブリンの製造に成功します。
抗Dヒト免疫グロブリンの使用が承認された1967年以降、ハリソン氏の血液を含む薬が300万回分以上オーストラリアの母親に配布され、240万人の赤ちゃんを救ってきました。こうしたハリソン氏の功績をたたえ、ハリソン氏には「黄金の腕を持つ男」の異名がつけられ、1999年にオーストラリア政府から勲章を授与されています。
81歳を超える人の献血を禁じるオーストラリアの法律に従い、2018年に最後の献血を行いました。最後の献血では「許されるなら献血し続けたい」と強制的に引退させられることを嘆くと同時に、自身の1173回という献血の記録について「誰かに破って欲しいと願っている」と語っていました。
献血で240万人の赤ちゃんを救った黄金の腕を持つおじいちゃんが人生で最後の献血を終了 – GIGAZINE

オーストラリアにはハリソン氏のように特殊な抗体を持つ人物が約200人献血に協力しており、毎年約4万5000人の母親と赤ちゃんを救っています。抗体が希少であり、定期的に献血できる人数には限りがあるため、オーストラリア最古の研究機関であるウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所が献血を管理しているオーストラリア赤十字社ライフブラッドと協力して人工的に抗体を合成する方法についての研究を進めているとのことです。
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