「ターミネーター2」のT-1000のように変形することが可能な小型ロボット群のプロトタイプが登場 – GIGAZINE

by Brian Long/UCSB

細胞の塊から手足やさまざまな器官を発達させる胚をヒントに、映画「ターミネーター2」に登場する殺人ロボットの「T-1000」のように、流動的に構造を変化させることができる小型ロボットの集合体を開発したと、カリフォルニア大学サンタバーバラ校らの研究チームが発表しました。

Material-like robotic collectives with spatiotemporal control of strength and shape | Science
https://www.science.org/doi/10.1126/science.ads7942

How to get a robot collective to act like a smart material | The Current
https://news.ucsb.edu/2025/021769/how-get-robot-collective-act-smart-material

We’ve figured out the basics of a shape-shifting, T-1000-style material – Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2025/03/weve-figured-out-the-basics-of-a-shape-shifting-t-1000-style-material/

「子どものころに映画『ターミネーター2』を見て、『うわあ、こんなことができるなんて想像もつかないよ』と思いました」と語るのは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の元教授で、記事作成時点ではドイツのマックス・プランク分子生物学・遺伝学研究所の教授であるオトガー・カンパス氏です。


手を刃物に変形させたり、液状化して鉄格子をすり抜けたりできるT-1000を再現するため、カンパス氏とカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究チームは、胚が形成される仕組みを解明した過去の研究を参考にしました。

研究チームが特に注目したのは、胚が持っている細胞の再配置能力、細胞が互いを認識するシグナル伝達能力、細胞同士が互いにつながって強固な形状になる能力の3つです。

これについて、カンパス氏は「胚細胞は自らを形作るために、組織を流体と固体の間で切り替えることができます。これは物理学では剛性遷移と呼ばれる現象です」と説明しています。

この知見をロボット工学に応用することで、研究チームは連携して形状と強度を変化させることができる小型ロボットシステムを開発しました。各ロボットユニットには8つの電動ギアが搭載されており、光センサーによってギアをどの方向に回転させるかを伝えて全体の形状を変化させます。


そして、目的の形状に変形したら、ロボットの周囲に配置されたマグネットを回転させることでお互いを引き寄せて結合し、強固な形状を維持します。


ロボットは自重の500倍の重量を支えることが可能で、合体して立方体を形成させれば体重70kgの大人を乗せることもできます。


今回発表されたのは概念実証で、各ロボットのサイズは直径約5cmと比較的大きくユニット数も少数ですが、研究チームはユニットをさらに小型化させて数を増やすことで、ロボットの集合体を1つの素材のように見えるようにするのも可能だと考えています。

カンパス氏は「私たちのロボットはまだターミネーターのような存在からは程遠いことをはっきりさせておきたいと思います。明日にでも実現できるわけではありませんが、T-1000のようなロボット素材の前例を作り、あとは小型化さえすればいいところまで来ました。私たちの目標は、人々がよしやってみようと思えるように、ワクワクさせることだったのです」と話しました。

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