韓国政府は全国民に無料で公共AIサービスを提供するプロジェクト「AI for All」を推進しています。新たに「AI for All」の運営事業者として、携帯電話事業者のSKテレコム、通信事業者のKT、IT企業のカカオがそれぞれ主導するコンソーシアム(共同事業体)が選定されました。
SKT, KT, Kakao consortiums selected for free AI service for public – The Korea Times
https://www.koreatimes.co.kr/business/tech-science/20260828/skt-kt-kakao-consortiums-selected-for-free-ai-service-for-public
SK Telecom, Kakao and KT chosen for South Korea’s public AI service project
https://www.koreajoongangdaily.com/business/sk-telecom-kakao-and-kt-chosen-for-public-ai-service-project/12849094
South Korea’s ‘AI for All’ Push Gives Free Chatbot Access to Every Citizen – WSJ
https://www.wsj.com/tech/ai/south-koreas-ai-for-all-push-gives-free-access-to-every-citizen-451f6b2c
韓国は世界的に見てもAIチャットボットユーザーが多い国のひとつであり、2026年初頭の調査では韓国人の約4分の1が生成AIに料金を支払っていたとのこと。韓国政府は2026年、前年の3倍以上となる10兆ウォン(約1兆1700億円)をAI関連予算として計上しており、韓国をAI強国に押し上げるための取り組みを進めています。
そんな中で推進されている「AI for All」は、より多くの韓国人を国産AIチャットボットにアクセスさせるというプロジェクトです。高度なAIサービスを国民に無料提供することで、アメリカや中国のAIモデルへの過度な依存を回避し、AI主権を確立することが目的だとされています。
「AI for All」で提供されるAIサービスは政府システムと連携し、医師の予約やアパート探しのサポート、税務相談などを受けることができるようになるとのこと。中小企業は税金の計算や政府支援プログラムの受給資格の確認が可能となるほか、保護者が子ども向けの教育コンテンツの提案を受けることも可能となるそうです。
2026年8月28日、韓国政府は「AI for All」の運営事業者として、SKテレコム・KT・カカオがそれぞれ主導する3つのコンソーシアムを選定しました。選定された事業者は2026年中に政府から合計512基のNVIDIA B200を受け取ります。選定された事業者は汎用(はんよう)AIチャットボットや公共AIエージェントを提供するにあたり、自社開発AIモデルと他社開発AIモデルの両方を活用することが求められます。
SKテレコムのコンソーシアムは、単一のリクエストに基づいて計画から実行までを処理できる行動志向型AIの開発を計画しています。このAIサービスはアプリやウェブサイトだけでなく、電話やSMSでも利用可能となり、デジタルサービスの利用に困難を抱える人々のアクセス性を向上させるとのこと。
KTのコンソーシアムは検索エンジンや通販サイトといったパートナープラットフォームに加え、通信およびIPTVチャンネルとも提携してサービスを提供します。同コンソーシアムのAIサービスは情報検索や比較、公共または商業的なタスクを単一の会話で実行できるとされています。
カカオのコンソーシアムは、韓国で広く利用されているメッセージングプラットフォームの「カカオトーク」を主要な入り口として、汎用AIチャットボットとAIエージェントを組み合わせる計画です。年内にはAI電話サービスの簡易版をリリースするほか、マーケットプレイスを通じて専門的なAIエージェントを配布する計画もあるそうです。
政府は9月に3つのコンソーシアムと契約を締結し、ベータ版サービス期間を経て、2026年中に「AI for All」サービスを正式に開始する予定です。さらに各コンソーシアムは2027年に、全国規模でのサービス提供に必要な費用の一部について政府からの支援を受けることになります。
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