AV1の次世代コーデック「AV2」の仕様が発表される – GIGAZINE


Alliance for Open Media(AOMedia)は2026年6月9日、次世代動画圧縮標準「AV2」の仕様を発表しました。AV2はロイヤリティーフリーの特許ポリシーの下で開発され、世界的な動画配信の需要に対応することを目的としています。

Alliance for Open Media Releases AV2 Codec, Advancing Next-Generation Open Video Coding | Alliance for Open Media
https://aomedia.org/press%20releases/Alliance-for-Open-Media-Releases-AV2-Codec/

AV2 Specification
https://av2.aomedia.org/

AV2はAV1コーデックの成功と普及を土台に、AV1の後継として圧縮効率の向上に加え、複数レイヤーや複数視点の映像を扱う柔軟性を高めたことが大きな特徴です。AOMediaは「AV2によって同じビットレートでより高品質な映像を提供できるほか、同等品質で帯域幅を削減できる」「AV2は世界有数のテクノロジー企業による厳格で協調的なプロセスを通じて開発された」と述べています。AV2の技術は実装の複雑さや共通の試験条件の下で評価され、高性能であるだけでなく効率的なハードウェア実装にも適した仕様になるよう最適化されたとのこと。

特にAV2では対応する機能や性能の範囲が整理されており、使える符号化ツールや色差形式、ビット深度、画像サイズ、表示レート、復号レート、ビットレートなどがこの区分によって決まります。AV2 v1.0.0ではメインツールセットが定義されており、プロファイルに応じて4:0:0、4:2:0、4:2:2、4:4:4の色差形式を扱えます。ビット深度は8bitまたは10bitに対応します。


また、AV2では複数のレイヤーを含むビットストリームを扱うため、レイヤー構成を示すLayer Configuration Record(LCR)と、復号対象となるレイヤーの組み合わせを示すOperating Point Set(OPS)が用意されています。さらに、こうした構成をデコーダーがどこまで互換性を保って扱えるかを整理するため、対応範囲を示すInteroperability Pointも定義されています。これにより、デバイスの性能や用途に応じて必要なレイヤーだけを選び、効率よく復号できるようになります。

さらにデバイスの性能や用途に合わせて必要なレイヤーだけを選び、元のビットストリームから取り出して復号できる仕組みも用意されています。そのため、VODやビデオ会議といった従来のワークフローに加え、新しいメディア体験にも対応しやすくなるとのこと。ネットワーク状況に応じた効率的な帯域幅利用により、ストリーミングやビデオ会議、次世代メディアでの視聴体験向上が期待されます。


AOMediaのエグゼクティブディレクターであるピエール・アンソニー・ルミュー氏はAV2仕様の公開について「AV2は動画配信の継続的な革新に向けた強固な基盤になる」と述べています。AV2の仕様が確定したことで、AOMediaは今後AV2を実際の配信環境や制作ワークフローで使いやすくする取り組みを進めていくことになります。ISO BMFF向けのAV2バインディング仕様の公開が予定されているほか、リファレンス実装のlibavmや、高性能なソフトウェア実装を目指すdav2dデコーダープロジェクトの開発も進んでいます。

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