By The Official CTBTO Photostream
世界中をつないでいる海底ケーブルは現代社会の生命線ですが、長距離を接続しているケーブルのどこか一部を切断されると機能が停止する都合上、意図的な破壊工作を防止するのが困難です。海底ケーブルの破壊工作への対策がどのように行われているかについて、ウォールストリートジャーナルが報じています。
Inside the Race to Protect Submarine Cables From Sabotage – WSJ
https://www.wsj.com/tech/inside-the-race-to-protect-submarine-cables-from-sabotage-c90ba18c
2023年から2024年にかけてバルト海で3件の海底ケーブル切断事件が立て続けに発生したり、台湾では5年で27回も海底ケーブル切断事件が発生したりするなど、世界中で海底ケーブルが切断されてしまう事件が多数発生しています。
海底ケーブルの切断事件はなぜ世界中で起き続けているのか? – GIGAZINE
浅瀬に設置されている海底ケーブルは船舶のいかりを使用する事で比較的簡単に破壊可能。また、たとえ深海に設置されている場合でも、中国では水深4000メートルまで対応した海底ケーブル切断装置が開発されているように、意図的な破壊から海底ケーブルを防衛するのは困難です。
長距離に渡る海底ケーブルを守る完璧な手段はありませんが、それでも切断事件を防ぐため、世界各国でさまざまな対策が行われているとのこと。北大西洋条約機構(NATO)は艦船やドローンを用いた北海およびバルト海のパトロールを行っており、2026年4月9日には「ロシアの潜水艦が海底インフラに対し悪質な活動を行っていた」と発表。
アジアでは台湾が海底警備隊のパトロールを強化しているほか、民間のケーブル事業者は中国とフィリピンが領有を争う南シナ海などの係争海域を避けるルートを検討しているとのこと。また、シンガポールは接続する海底ケーブルの下図を30本程度から50本以上に倍増させ、切断への耐性を高める方針をとっています。
年間約150件から200件のペースで起きている海底ケーブル切断事件について、国家による妨害行為であると確定した事件はないものの、2023年と2025年に起きた台湾近海の海底ケーブル切断事件は最も大きな被害をもたらす地域を精密に狙った犯行であり、一部の専門家は「偶発的とは考えにくい」と述べています。
海底ケーブルを切断から守るため、一部の企業は分散型音響計測と呼ばれる新たな技術を採用しています。分散型音響計測を使用すると、海底ケーブルの損傷に加え、付近に船舶が存在しているか、どんな船舶なのかなどを知ることが可能だそう。
「光ファイバー」で火山や地震からクジラの歌声までモニタリングする技術 – GIGAZINE
また、海底に設置してソナーで不審な動きを監視する「シーベッド・セントリー」という装置も開発されています。
世界情勢が不安定になるなか、海底ケーブルをめぐる攻防は今後さらに激しくなりそうです。
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