
iOSでアプリをインストールできるのは、基本的にApple公式が運営しているApp Storeからのみです。しかし、EU経済圏ではデジタル市場法を順守するため、App Store以外が提供する代替アプリストアからもアプリをダウンロードする「サイドローディング」が可能です。2025年11月5日に開発者向けにリリースされたiOS 26.2 Beta 1で、日本でも代替アプリストアからアプリをインストールできるようになっていることがわかりました。
iOS 26.2 Beta 1で代替アプリストアが日本でも利用可能になってる!!!!!!
AltStore PALとかEpic Games Store使える! pic.twitter.com/292ncTZrKJ— しずく (@Tzzlala) November 4, 2025
iOS 26.2 to Allow Third-Party App Stores in Japan Ahead of Regulatory Deadline – MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/11/05/ios-26-2-third-party-app-stores-japan/
日本のユーザーによる報告では、Epic Games StoreやAltStore PALなどの代替アプリストアからアプリをダウンロードすることが可能になっている模様。
記事作成時点ではまだ開発者向けベータ版なので、代替アプリストアが利用可能になるのが確定というわけではありませんが、12月に予定されているiOS 26.2の正式リリースから、日本でもiOSでのサイドローディングが実現する可能性があります。
日本では、2025年6月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(スマホソフトウェア競争促進法)」が成立しました。この法律の第8条では、以下のように定められています。
第八条 指定事業者(アプリストアに係る指定を受けたものに限る。)は、その指定に係るアプリストアに関し、個別アプリ事業者に対し、次に掲げる行為を行ってはならない。ただし、第一号から第三号までに掲げる行為(同号の個別ソフトウェアがブラウザである場合を除く。)にあっては、当該アプリストアが組み込まれたスマートフォンについて、サイバーセキュリティの確保等のために必要な行為を行う場合であって、他の行為によってその目的を達成することが困難であるときは、この限りでない。
一 当該個別アプリ事業者がその提供する個別ソフトウェアを通じて商品又は役務を提供する場合においてスマートフォンの利用者による当該商品又は役務の対価の支払の用に供する前払式支払手段(資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第三条第一項に規定する前払式支払手段をいう。)その他の支払手段(以下この号において単に「支払手段」という。)に関し、次に掲げる行為を行うこと。
イ 当該指定事業者(その子会社等を含む。以下この条において同じ。)が提供する支払管理役務(スマートフォンの利用者が個別ソフトウェアの作動中に支払手段を用いることができるようにする役務をいう。以下この号において同じ。)以外の支払管理役務を当該個別アプリ事業者が利用しないことを当該アプリストアを通じて個別ソフトウェアを提供する際の条件とすること。
ロ イに掲げるもののほか、当該指定事業者が提供する支払管理役務以外の支払管理役務を当該個別アプリ事業者が利用すること又は当該個別アプリ事業者が支払管理役務を利用せずにスマートフォンの利用者に対して支払手段を用いることができるようにすることを妨げること。
二 当該個別アプリ事業者がその提供する個別ソフトウェア(以下この号において「本個別ソフトウェア」という。)を通じて商品又は役務を提供し、これと同一の商品又は役務をウェブページ又は本個別ソフトウェア以外の個別ソフトウェア(以下この号において「関連ウェブページ等」という。)を通じて提供する場合(これに準ずるものとして政令で定める場合を含む。)において、次に掲げる行為を行うこと。
イ 関連ウェブページ等を通じて提供する商品又は役務の価格その他の情報について、本個別ソフトウェアの作動中に表示されないようにすることを当該アプリストアを通じて本個別ソフトウェアを提供する際の条件とすること(本個別ソフトウェアを経由して関連ウェブページ等を閲覧できる機能として公正取引委員会規則で定めるものの利用を拒み、又は制限する条件を付することを含む。)。
ロ イに掲げるもののほか、本個別ソフトウェアを利用するスマートフォンの利用者に対して関連ウェブページ等を通じて商品又は役務を提供することを妨げること。
三 当該個別アプリ事業者が提供する個別ソフトウェアの構成要素であるブラウザエンジン(ブラウザの一部を構成するソフトウェアであって、ウェブページに係る情報を閲覧することができる状態に処理するものをいう。以下この号において同じ。)について、次に掲げる行為を行うこと。
イ 当該指定事業者が提供するブラウザエンジンを当該個別ソフトウェアの構成要素とすることを当該アプリストアを通じて個別ソフトウェアを提供する際の条件とすること。
ロ イに掲げるもののほか、当該指定事業者が提供するブラウザエンジン以外のブラウザエンジンを当該個別ソフトウェアの構成要素とすることを妨げること。
四 当該個別アプリ事業者が提供する個別ソフトウェアに係る利用者確認(スマートフォンの利用者が個別ソフトウェアを利用する際に符号その他の情報により当該スマートフォンの利用者を他の者と区別して識別することをいう。)の方法について、当該指定事業者が提供するものを当該個別ソフトウェアの作動中に表示することを当該アプリストアを通じて個別ソフトウェアを提供する際の条件とすること。
また、2025年8月には公正取引委員会が「スマホソフトウェア競争促進法に関する指針」を発表。この中で、AppleやGoogleなどのプラットフォーム事業者が、自社のモバイルOS上で代替アプリストアや決済システムの利用をブロックまたは制限することを明確に禁止しています。
スマホソフトウェア競争促進法に関する指針
(PDFファイル)https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/jul/250729_01-4_smartphone_shishin.pdf
スマホソフトウェア競争促進法は2025年12月18日に施行され、Appleは2025年12月中旬にiOS 26.2をリリースする予定なので、タイミングはマッチしています。また、Epic Gamesはすでに独自のアプリストア「Epic Games Store」をAndroid向けに提供しており、2025年末までにiOS版を日本でも展開すると予告しています。
Epic Games StoreのAndroid版とiOS版が登場してモバイル版「フォートナイト」が4年ぶりにスマホに復活、ただしiOS版はEU圏内のみ – GIGAZINE
また、別の代替アプリストアである「AltStore PAL」も、2025年末までに日本・オーストラリア・ブラジルでサービスを開始するとすでに報じられています。
iPhone向け代替アプリストア「AltStore PAL」が日本・オーストラリア・ブラジルで2025年後半にサービス開始予定 – GIGAZINE
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