Appleは軽量版Apple Vision Proよりも新型スマートグラスの開発を優先している – GIGAZINE


Appleが複合現実(MR)ヘッドセット「Apple Vision Pro」の改良計画を一時中断し、Metaの製品に対抗できるスマートグラスの開発を優先する方針に転換したと、アメリカ経済紙のBloombergが報じています。この戦略転換の一環として、2027年の発売が計画されていたという廉価版のApple Vision Proのプロジェクトからスタッフを異動させ、スマートグラスの開発を加速させているとのことです。

Apple Shelves Vision Headset Revamp to Prioritize Meta-Like AI Smart Glasses – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-10-01/apple-shelves-vision-headset-revamp-to-prioritize-meta-like-ai-smart-glasses

Apple sidelines lighter Vision Pro to prioritize smart glasses | The Verge
https://www.theverge.com/news/790285/apple-smart-glasses-vision-pro

Appleは少なくとも2種類のスマートグラスを開発しているとウワサされています。1つはディスプレイ非搭載でiPhoneと連携するモデル(コードネームN50)で、2026年~2027年の発売を目指しているとのこと。もう1つはMetaの「Ray-Ban Display」に対抗するディスプレイ搭載型モデルで、Apple関連の情報に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者は「当初の2028年の計画から開発が前倒しされている」と述べています。

Appleが開発しているスマートグラスは、音声操作とAIの活用に重点を置いており、新しいチップ、音楽再生用のスピーカー、録画用のカメラ、音声制御機能などを搭載し、様々なスタイルで展開される見込みです。

ガーマン記者によれば、Appleは社内に対して、開発プロジェクト間の人事異動を通達したとのこと。異動の対象になったのは軽量版のApple Vision Proを開発していたチームのスタッフで、異動先はスマートグラスの開発プロジェクトだったそうです。ガーマン記者は、「この異動の目的はスマートグラスの開発作業を加速させることにある」と指摘しました。


Appleが方針転換した背景には、現行のApple Vision Proが最安でも税込59万9800円と高価で重すぎること、またコンテンツも不足していることから、2024年の発売以降一般消費者からの関心が薄れていることがある、とガーマン記者。そこで、AppleはApple Vision Proの生産を縮小しつつ、マーケティングを法人向けにシフトしようとしているそうです。

スマートグラス市場ではMetaが先行しており、2021年に最初のモデルを発売し、2023年には「Ray-Ban Meta」で自社製のAIアシスタント「Meta AI」へのアクセスを実現しました。AppleはスマートグラスとAIの両方で、Metaの後塵を拝しているといえます。

Metaのスマートグラス「Ray-Ban Meta」が質問に答えたり言語を翻訳したりできるAIアシスタント「Meta AI」への早期アクセスを開始 – GIGAZINE


ただし、ガーマン記者は、Appleが開発中のディスプレイ付きスマートグラスはMeta Displayに十分挑戦できるものだとコメントしました。なお、軽量版Apple Vision Proの開発は中断されたものの、現行のApple Vision Proにより高速なチップを搭載したモデルについては、早ければ2025年内に発表される可能性があるとガーマン記者は伝えています。

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