Microsoft Windowsのタイムゾーン設定画面にはかつて世界地図が表示されていました。しかしながら、一時期のWindowsではポーランドが表示されないという奇妙な現象が発生していました。地図に関する情報を扱うサイト「Brilliant Maps」にて、なぜそのような事態が発生したのかを詳しく解説していました。
How Did Poland Get Left Off The Windows XP Map? – Brilliant Maps
https://brilliantmaps.com/maps-without-poland/
下の図はWindows 2000のタイムゾーン設定画面です。Windows11の設定画面と異なり中央に世界地図が表示されているのが特徴的です。しかし、地図をよくよく見ると奇妙な点があります。
中央ヨーロッパのあたりを拡大したところ。スウェーデンの南のバルト海がやけに広く見えます。

Google Mapで概ね同じエリアを見比べてみると、Windowsの地図ではポーランドの部分が陸地ではなく海として表示されているのがわかります。

地図上にポーランドが表示されていない原因はWindowsのタイムゾーン設定に関連して発生した不具合によるもので、1990年代から2000年代初頭にかけて見られた現象です。
1980年代から1990年代にかけて、ポーランドと西ヨーロッパ/中央ヨーロッパは同じ標準時(GMT+1)を使用していたものの、夏時間の開始時期だけは異なっていました。ポーランド国内のコンピューター時計を正確に同期させるため、Microsoftは「ワルシャワ時間」というポーランド専用のタイムゾーンエントリーを作成しました。ポーランドのタイムゾーンが独特であったため、地図上ではポーランドが独立したタイムゾーンとして表示されるようになっていました。
1996年ポーランドは夏時間のルールを変更し、他のヨーロッパ諸国と時期を合わせました。Windowsの開発チームはこの変更に対応すべくポーランドを西ヨーロッパ/中央ヨーロッパのタイムゾーンに統合しました。必要のなくなった「ワルシャワ時間」のエントリーは削除されたものの地図上のポーランドに関するデータが更新されなかったため、「ワルシャワ時間」の削除とともに対応するタイムゾーンのなくなったポーランドが地図上から消えてしまうという事態が発生しました。地図上でポーランドが存在しない状態は、本来ポーランドがあるべき部分が海に見えることから「ポーランド海」と呼ばれるようになり、当時最も人が目にするOSであったWindows XPで見られるおかしな現象として話題となりました。
下の図はWindows 95(左)とWindows 2000(右)のタイムゾーン設定画面を比較したものですが、ほぼ同一のレイアウトが継承されているにもかかわらずWindows 2000では地図上からポーランドが消滅しているのがわかります。
「ポーランド海」は2000年代の初頭には修正され、以降はポーランドが正しく地図上に陸地として表示されるようになっています。
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