Microsoftは人権関連ページを更新し、イスラエル軍の情報機関である8200部隊によるMicrosoft Azureの利用を巡る調査結果と、国家安全保障機関との取引における人権管理の強化策を公表しました。
Technology & Human Rights | Microsoft CSR
https://www.microsoft.com/en-us/corporate-responsibility/human-rights
Microsoft to tighten human rights measures after inquiry into Israel’s use of its tech | Microsoft | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2026/jun/04/microsoft-to-tighten-human-rights-measures-after-inquiry-into-israels-use-of-its-tech
Microsoft expands human rights oversight after investigation into Israeli defense ministry’s use of AI | CTech
https://www.calcalistech.com/ctechnews/article/r1hj177wze
The Guardianは2025年8月に、「8200部隊がMicrosoft Azureを使い、パレスチナ人の携帯電話の通話内容を大量に保存し、検索や分析ができる仕組みを運用していた」と報じました。Microsoftは報道を受け、外部の法律事務所と技術コンサルティング会社を起用して調査を開始しました。
Microsoftは2025年9月25日、調査の初期段階でThe Guardianの報道内容の一部を裏付ける証拠が見つかったとして、イスラエル国防省に対し、問題となったAzureのクラウドストレージやAIサービスを含む一部のサブスクリプションとサービスを停止したことを明らかにしました。
その後も調査と検討は続けられ、Microsoftは2026年6月に最終更新として調査結果の要約と今後の対応を公表しました。なお、事実認定は2025年9月時点の内容から変わっていないとのこと。Microsoftは調査結果を受け、国家安全保障に関わる契約前審査や従業員向け通報制度などを強化すると説明しています。
Microsoftの利用規約やAIサービス向け行動規範では、民間人に対する大規模監視を助長する用途が禁じられています。一方で、政府機関との契約では契約当初の利用目的と実際の利用がずれたり、戦争や政治情勢の変化によってリスクが高まったりする可能性があります。
Microsoftは対策として、国家安全保障関連の契約前審査を見直すほか、企業活動が人権に与える悪影響を事前に把握して予防や軽減策を講じる取り組みである「人権デューデリジェンス」を強化するとしています。さらにMicrosoftは、従業員が外国政府から受けるセキュリティクリアランスの管理見直し、利用規約や国家安全保障関連ポリシーの定期レビュー、従業員向け研修の改善、匿名通報制度の拡充も行うとしています。
一方で、Microsoftとイスラエル政府の関係が全面的に解消されたわけではありません。Microsoftはイスラエル国防省との関係を標準的な商業関係と位置づけており、2026年6月の発表時点でもソフトウェア、専門サービス、Azure、Azure AI、翻訳機能などを提供していると説明しています。
騒動はMicrosoftイスラエルの人事にも波及しています。イスラエルの経済紙Globesは、「Microsoftイスラエル責任者のアロン・ハイモヴィッチ氏の退任はMicrosoftの倫理規定違反を巡るMicrosoftイスラエルでの騒動に続くものだった」と報じました。またGlobesによると、Microsoftイスラエルは当面Microsoftフランスの管理下に置かれるとのこと。Microsoftはハイモヴィッチ氏が2026年5月31日に退任し、AIとテクノロジー分野で新しい道に進むと発表していますが、退任理由の詳細は説明していません。
Microsoftは調査結果から学んだ教訓を事業運営に反映し、人権専門家や関係者の意見を取り入れながら、年次のHuman Rights Transparency Reportで取り組みの進み具合を報告していくと述べています。
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