プラスチックは食器・家具・日用品・包装など幅広い場面で使用されており、もはや現代社会にとってなくてはならない存在です。しかし、近年は直径5mm未満のマイクロプラスチックや1μm(マイクロメートル)未満のナノプラスチックによる環境汚染や、人体に悪影響を与える可能性が懸念されています。新たに、中国の研究チームが100件を超える過去の研究を参照し、マイクロプラスチックがパーキンソン病の発症に関与している可能性があると警告しました。
マイクロプラスチック/ナノプラスチックは環境を汚すだけでなく、野生動物や人間の体内にも侵入することが知られており、蓄積したプラスチックによる人体への悪影響が問題視されています。
中国の広州医科大学などの研究チームは、100件以上の研究を調査してプラスチックとパーキンソン病の関連性について調べました。パーキンソン病は手の震えや歩行の困難といった運動障害を示す神経変性疾患で、過去25年間で患者数が約2倍に増加しており、少なくともその一部は環境中の農薬といった汚染物質に関連していることが示されています。
論文には、「世界規模のプラスチック汚染の深刻化に伴い、マイクロプラスチックとナノプラスチックが人間の健康に及ぼす潜在的な脅威が大きな懸念となっています。マイクロ/ナノプラスチックは摂取・吸入・皮膚接触を通じて体内に入り、それから複数の臓器、特に脳に蓄積します」と記されています。
そして、研究チームはこれまでの研究結果を参照して、人々が体内に取り入れた微細なプラスチックは血液脳関門を通過したり、鼻腔(びくう)の神経細胞層に入り込んだりして脳に入り込むと主張しています。
2023年の研究では、マイクロ/ナノプラスチックが毒性のあるα-シヌクレインというタンパク質の凝集を促進することが示されました。α-シヌクレインはパーキンソン病患者の脳に沈着・凝集していることが知られ、パーキンソン病の原因とされています。
また、研究チームは体内に侵入したプラスチックが神経炎症を引き起こし、腸と脳の間のコミュニケーションを妨げ、脳に有害な金属を侵入させてフェロトーシスという細胞死のプロセスを引き起こすと指摘。これらの損傷はいずれもパーキンソン病と関連付けられているとのことです。
一連の証拠は興味深いものである一方、今回のレビューに用いられた研究のほとんどは、動物実験や実験室での細胞実験に基づくものである点に注意が必要です。研究チームは、マイクロ/ナノプラスチックとパーキンソン病についての研究は限られており、マイクロ/ナノプラスチックが人間にもたらす慢性的な影響については、依然として十分解明されていないと述べています。
研究チームは、「今後の研究では大きさ・形状・表面電荷・ポリマーの種類・分解状態といったマイクロ/ナノプラスチックの特製が、パーキンソン病関連の経路にどのように影響するかを体系的に比較する必要があります」と主張しました。

なお、近年では脳内のマイクロ/ナノプラスチック濃度が急増しているとの研究結果も報告されていますが、これについては研究の精度や検証手順の欠如といった問題があるとの批判も寄せられています。
‘A bombshell’: doubt cast on discovery of microplastics throughout human body | Plastics | The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2026/jan/13/microplastics-human-body-doubt
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