更年期のホットフラッシュが60%減少、催眠療法の臨床試験で明らかに – GIGAZINE


催眠療法が更年期のホットフラッシュを最大60%軽減できることが臨床試験で明らかになりました。薬を使わずに安全かつ経済的に症状を管理できる新たな選択肢となります。

Study finds audio hypnosis cuts menopause hot flashes by 60%
https://interestingengineering.com/health/hypnosis-lowers-menopause-hot-flashes

Self-Administered Hypnosis vs Sham Hypnosis for Hot Flashes: A Randomized Clinical Trial
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2841242

◆催眠療法でホットフラッシュが大幅減
ベイラー大学のゲイリー・R・エルキンズ教授らの研究チームは、自身で催眠を行う自律訓練法が更年期女性のホットフラッシュの頻度と強度を50%以上減少させることを明らかにしました。毎日短時間の自己催眠を6週間続けることで、薬を使わずに不快な症状を大きく緩和し、ホルモン補充療法が使えない女性やより手軽で低コストな方法を求める人にとって安全な治療方法となります。

◆臨床試験の概要と結果
研究は多施設ランダム化比較試験として実施され、ホットフラッシュに悩む閉経後女性250人が参加しました。参加者の約4分の1は乳がんの既往歴があり、ホルモン療法の対象外となるケースが多いグループです。6週間にわたり、自己管理型催眠プログラムを行うグループと、ホワイトノイズを使った偽治療の対照群で効果を比較しました。催眠療法グループではホットフラッシュの頻度と強度が53.4%減少し、3か月後の追跡調査では60.9%まで減少率が上昇。特に乳がん既往歴のある女性では6週間後、対照群では40.9%でしたが催眠療法では64%の減少が見られました。

◆低コストと広がる効果
自宅で音声録音やアプリを使いながら、自分自身でホットフラッシュの管理方法を習得することで、通院による治療よりも低コストで症状を改善することができます。12週間後の追跡調査では、ホットフラッシュの減少に加え、睡眠の質や気分、集中力の改善もみられ約90%が「気分が良くなった」と回答し、対照群の64%を大きく上回りました。


◆今後の展望
エルキンズ教授は「催眠療法は更年期後の女性や乳がんサバイバーにおいて、ホットフラッシュの頻度と重症度を一貫して大きく減少させる結果を示した唯一の行動療法です」と述べています。今後は、自己催眠による睡眠の質向上など、さらなる効果の解明が期待されています。

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