こんにち、ほとんどのPCユーザーがゲーム配信プラットフォームの「Steam」を利用してゲームを入手しています。ゲーム会社の幹部を対象としたアンケートで、回答者の72%が「Steamが事実上PCゲームを独占している」と答えたことが分かりました。
The State of PC Game Distribution 2025: Beyond Steam
https://rokky.com/pc-game-distribution-report-2025
72% of game developers say Steam is effectively a PC gaming monopoly | TechSpot
https://www.techspot.com/news/110133-survey-finds-72-developers-believe-steam-pc-gaming.html
イギリスとアメリカの大手ゲーム企業幹部300名以上を対象とした調査では、72%が「Steamは独占状態にある」と回答。また88%が「収益の75%がSteam由来である」と回答し、ゲーマーだけでなくゲーム制作側もSteamに強く依存している実態が明らかになりました。さらに、収益の90%がSteam由来だと答えた人は全体の37%に上りました。
SteamはValveが運営する大規模なPCゲーム配信サービスであり、2025年10月には同時接続プレイヤー数が4100万人を突破したばかりです。多くのユーザーがSteam経由でのみゲームを購入することを強く望んでいるため、EA、Ubisoft、さらにはMicrosoftを含む大手のパブリッシャーでさえ、自社タイトルをSteamから除外しようとする試みが失敗に終わり、Steamでの配信を余儀なくされています。
ただし、「リーグ・オブ・レジェンド」や「マインクラフト」など一部の人気タイトルはSteamで配信しないことで独自性を維持しています。また、GOGやitch.ioといったストアはインディーゲームやレトロタイトルに特化することでニッチ市場を開拓するなどSteamとは違う道を歩むところもあります。Epic GamesやAmazon Luna(旧Prime Gaming)などはゲームの無料配布やSteamより低い販売手数料で対抗を試みていますが、依然としてSteamには遠く及ばない状況です。
Steamに対抗してゲーム無料配布を続ける「Epic Games Store」は赤字続きであることがEpic Games対Google裁判で発覚 – GIGAZINE
今回の調査では、回答者の48%がEpic Games Storeに、38%がFanaticalやHumble Bundleなどのeストアに、30%がG2AやKinguinなどのマーケットプレイスに、10%がGOGに、8%がitch.ioにタイトルを配信していることも分かっています。
Steamはこれまで、独占的地位を利用して価格を支配しているとの非難を受けてきました。2024年には、ゲーム会社のWolfire Gamesが「Steamの30%手数料は高すぎる」として起こした訴えが集団訴訟に発展し、Steamが販売手数料の低い他ストアでの価格引き下げを妨げていると主張されました。
なお、今回の調査で「今のゲーム業界の問題点」として上がったのが、「フォートナイト」「DOTA 2」「Counter-Strike 2」などの無料プレイ型ゲームの人気拡大でした。回答者の約3分の1が市場の飽和状態を指摘しており、無料プレイ型ゲームに人が集まるせいで、Steamで毎年リリースされる数千の新作タイトルに対して十分なプレイヤーが存在しないことを危惧しています。
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