ラッパーがSpotifyを再生回数水増し放置疑惑で提訴、「生身の人間はドレイクの曲を1日23時間もストリーミングしない」 – GIGAZINE


RBXという名前のアメリカ人ラッパーが、ボットを使った再生回数水増し行為を放置しているとしてSpotifyを提訴しました。特定アーティストの再生回数が不当に高いおかげで、ほかのアーティストに渡るはずだった収益が目減りしていると指摘されています。

Real humans don’t stream Drake songs 23 hours a day, rapper suing Spotify says – Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2025/11/real-humans-dont-stream-drake-songs-23-hours-a-day-rapper-suing-spotify-says/


Spotify Sued Over “Billions” of Fraudulent Drake Streams
https://consequence.net/2025/11/spotify-lawsuit-drake-streams/

RBXは、「Spotifyでは、ボットなどを使った不正・非合法な手法により、数十億件の不正な再生回数の獲得が行われています。この不正行為により収益分配が乱れ、正当なアーティスト、作詞家、プロデューサー、その他の権利保有者に甚大な経済的損害をもたらしています」と主張し、「同様の状況にある他のアーティスト」を代表して集団訴訟を起こしました。

Spotifyはアーティストの市場シェアに基づく比例配分モデルで収益を分配しているため、特定のアーティストへの報酬額が高くなると、ほかのアーティストに支払われる報酬額が減少します。

RBXによると、特に人気歌手のドレイクが水増しの恩恵を受けている可能性が高いとのことです。ドレイクはSpotify史上初めて累計1200億回の再生回数を獲得したアーティストですが、ほかのアーティストの再生回数が「アルバムのリリース直後に急増し、その後減少」というパターンを繰り返すのに対し、ドレイクは「リリース直後だけでなく数年にわたって不規則に上昇する」というパターンが見られるそうです。

さらに、1日23時間ずっとドレイクの曲を再生しているようなアカウントが大量に確認されていること、居住者がいない、あるいは長時間のストリーミングを行えないような不安定な地域から再生しているアカウントも見られるなどしたことから、RBXはドレイクが獲得した再生回数をボットによる不正なものだと見なしています。


RBXは、ドレイクが2022年1月から2025年9月の間に獲得した再生回数のうち約370億回がボットによるものだと試算しており、これによりほかのアーティストに支払われるべきだった数百億円規模の報酬が失われたと指摘しました。


この件に関してコメントを求められたSpotifyの広報担当者は、「係争中の訴訟については話せない」としつつ、「不正ストリーミング問題からSpotifyは何らかの利益を得ているわけではありません。当社は業界最高水準のシステムに多額の投資を行い、不正再生の防止、報酬額の決定、罰金の徴収といった強力な保護措置を通じてアーティストへの収益分配制度を保護しています」と述べました。

さらに、「2024年には、悪質なアーティストがSpotifyから1000万ドル(約15億4000万円)を窃取したとして起訴されましたが、実際の被害額はわずか6万ドル(約900万円)であり、我々が不正再生をいかに効果的に抑制しているかを証明しました」と続けました。

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