OpenAIのチャットAIであるChatGPTのモバイルアプリのダウンロード数と1日当たりのアクティブユーザー数の成長が徐々に鈍化していることが、モバイルアプリの競合分析と市場インテリジェンスを提供するApptopiaの最新調査により明らかになりました。
ChatGPT’s mobile app is seeing slowing download growth and daily use, analysis shows | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/10/17/chatgpts-mobile-app-is-seeing-slowing-download-growth-and-daily-use-analysis-shows/
Apptopiaによると、ChatGPTのモバイルアプリの新規ユーザー数の増加(世界全体の新規アプリダウンロード数の変化率)は2025年4月以降鈍化しているそうです。
さらに、ChatGPTアプリの全世界でのデイリーアクティブユーザー数を調査したデータが以下。2025年9月以降、デイリーアクティブユーザー数の増加が止まり、安定していることがわかります。
また、ApptopiaはChatGPTアプリの全世界ダウンロード数の増加率が、2025年10月に前月比で約8.1%減少する見込みであると予測しています。なお、これはあくまで「ダウンロード数の増加率」であり、依然として新規ダウンロード数は好調。1日当たり数百万回ダウンロードされているそうです。
それでも「ダウンロード数の伸びが鈍化していることは、アプリ全体の成長ベースが鈍化していることを示唆しています。ChatGPTの場合、競争の激化とAIモデルの特性の変化がその原因である可能性があります」と、テクノロジーメディアのTechCrunchは指摘しました。
さらに詳細に分析すると、アメリカにおけるデイリーアクティブユーザー1人あたりの平均アプリ利用時間が2025年7月以降、22.5%も減少していることが明らかになっています。また、アメリカにおけるデイリーアクティブユーザー1人当たりの平均セッション数(ChatGPTアプリの利用回数)も20.7%減少していることが判明しました。
以下はアメリカにおけるデイリーアクティブユーザー1人あたりの平均アプリ利用時間の推移をまとめたグラフ。平均アプリ利用時間は2025年8月初頭から徐々に減少していることがわかります。
これはアメリカユーザーが1日にChatGPTアプリに費やす時間と起動回数が減少していることを示しています。アメリカにおけるユーザー離脱率もこの期間に減少し安定していることから、「アプリがコアユーザーを維持することに成功しながら、一時的に試用目的で立ち寄っただけでのユーザーが離脱することを阻止できていないことがよくわかります」とTechCrunchは指摘。
これは単にChatGPTアプリの利用率がピークに達したというだけでなく、他にも影響を及ぼす要因がある可能性があります。GoogleのGeminiとの競争だけでなく、GPT-4oが不快なほどユーザーを持ち上げるような言動を見せるようになった2025年4月のアップデート以降、一部ユーザーからChatGPTへの不満が寄せられています。なお、OpenAIが2025年8月にリリースしたGPT-5でも、「GPT-5は人間味が薄れた」と一部ユーザーから不満が噴出しました。
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しかし、ApptopiaによるとChatGPTのデイリーアクティブユーザー1人当たりの平均利用時間と平均セッション数は、競合のGoogle Geminiが急上昇する前から下降傾向にあったと指摘しています。なお、Geminiは新しいAI画像モデルであるNano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)のリリース後、多くの人気を集めて2025年9月にはトップチャートに急上昇しました。
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そのため、Apptopiaは「Geminiの成長はChatGPTの主要指標の低下に影響を与えた可能性があるものの、全体的な傾向を説明するものではない」と指摘しています。
以下はアメリカにおけるデイリーアクティブユーザー1人当たりの平均セッション数の推移をまとめたグラフ。2025年8月初頭から、徐々に平均セッション数の低下が起こっていることがはっきりとわかります。
さらに、Apptopiaは「デイリーアクティブユーザー1人当たりの平均利用時間が減少しているのに平均セッション数が減少していないとすれば、ユーザーがChatGPTのクエリをより効率的に利用できるようになった可能性を示唆しています。しかし、実際には平均利用時間と平均セッション数のどちらも減少傾向にあるため、その可能性は低いです」と指摘しました。
Apptopiaは「ChatGPTアプリの実験段階は終わり、今ではユーザーの日常生活の一部になりつつある可能性があります。リリース当初の利用増加と比べると、人々は必要な時、あるいは使いたいと思った時にのみアプリを使用している可能性が高いでしょう」「OpenAIにとって、これは同社がこれらのコア指標の一部を再び向上させるには、他の既存のモバイルアプリと同様に、アプリマーケティングへの投資や新機能のリリースが必要となることを意味します。もはや目新しさだけに頼って成長を図ることはできません」と指摘しています。
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