iPhoneにバックドアを作るイギリスの試みがアメリカの圧力で撤回される – GIGAZINE


高度に暗号化され、Apple自身でさえもアクセスできないクラウドストレージシステムにセキュリティ機関がアクセスできるようにするための「バックドア」を構築するよう指示したイギリスに対し、ドナルド・トランプ政権が反発したと伝えられました。

UK government seeks way out of clash with US over Apple encryption
https://www.ft.com/content/3a3e6dbc-591d-4087-9ad3-11af04f0176f

UK may back down on demand for backdoor access to Apple users’ encrypted data | Encryption | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2025/jul/21/uk-demand-backdoor-access-apple-users-encrypted-data


Appleは、自社のクラウドストレージにアクセスするユーザー向けに「高度なデータ保護(ADP)」という機能を提供しています。ユーザーがこの機能をオンにするとiCloud上のほとんどのデータがエンドツーエンドの暗号化で保護され、サービスを提供するAppleでさえもデータを確認できなくなる高度なセキュリティが実現します。

2025年1月、イギリスの内務省がAppleに対し、高度に暗号化されたデータへのアクセスを法執行機関に提供するよう正式に要請しました。これはイギリス調査権限法に基づく行動で、イギリス政府はデータを確認することでテロリズムや児童性的虐待の捜査に活用できると主張しています。

イギリス政府がAppleに「全ユーザーのデータを取得できるバックドア」を設けるように求めていたことが報じられる – GIGAZINE


しかし、Appleはセキュリティやプライバシーの観点から問題があると反発し、「高度なデータ保護」をイギリスで提供しないことに決めました。

Appleが「高度なデータ保護」機能をイギリスで提供終了へ – GIGAZINE


イギリス経済紙のFinancial Timesによると、高度なデータ保護の提供終了にはアメリカ政府も1枚噛んでいたとのこと。これについてイギリスの政府高官が「イギリス政府とアメリカ政府の対立があり、イギリス政府は対立から脱却する道を探っているが、J・D・ヴァンス副大統領をはじめとする政府高官からの圧力に屈して、おそらくイギリス政府側が引かざるを得なくなるだろう」と語ったと、Financial Timesは伝えています。

また、複数の高官が「これはヴァンス副大統領が非常に不快に感じている問題であり、解決しなければならない問題だ」「これはアメリカにとって大きなレッドラインであり、彼らは我々がアメリカのテクノロジー企業に干渉することを望んでいない」「これは内務省が自ら招いた問題であり、現在、その解決策を模索している」「イギリス政府は、表現の自由の問題のように見えるものを推し進めることに対して消極的である」と話し、Appleにエンドツーエンドの暗号化を破るよう強制するイギリスの決定は、アメリカとの技術協定の妨げになる可能性があると述べたとのことです。

Appleはバックドアへのアクセスを要請する内務省の権限をめぐって法廷で異議申し立てを行いました。内務省はこの異議申し立てを秘密にするよう裁判所に要求しましたが、裁判官は事件の詳細を公表するよう命じています。

Appleがイギリスの「バックドア作成命令」について裁判所へ異議申し立て – GIGAZINE


暗号化メッセージングサービスの「WhatsApp」を提供するMetaもAppleの法廷闘争に参加すると発表しており、データを盗み見ようとするイギリス政府に反発する姿勢を示しています。

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