Uberがロボタクシー業界に再度本格参入、EVメーカーと提携して6年間で2万台以上のロボタクシーを配備予定 – GIGAZINE


ライドシェアサービスやフードデリバリーを提供するアメリカの企業であるUberが、カリフォルニア州を拠点とする電気自動車製造企業の「Lucid(ルシード)」、Waymoから独立した技術者が設立した自動運転技術開発企業の「Nuro(ニューロ)」と契約を締結し、アメリカの中心都市でロボタクシーを運用することを発表しました。Uberは各企業に3億ドル(約440億円)以上の投資を予定しています。

Uber Technologies, Inc. – Lucid, Nuro, and Uber Partner on Next-Generation Autonomous Robotaxi Program
https://investor.uber.com/news-events/news/press-release-details/2025/Lucid-Nuro-and-Uber-Partner-on-Next-Generation-Autonomous-Robotaxi-Program/default.aspx


Uber to invest hundreds of millions of dollars in Lucid and Nuro in massive robotaxi deal | The Verge
https://www.theverge.com/news/708479/uber-lucid-nuro-robotaxi-deal-investment

Uberは2015年ごろから自動運転技術の開発に力を入れており、2016年8月には自動運転トラックを開発するスタートアップ「Otto」を買収しました。同年12月にUberの自動運転タクシー「uberX」が稼働開始しましたが、uberXが女性をはねて死なせる事故が発生したり、WaymoがUberを「企業秘密を盗んだ」として訴えたりした問題を経て、2020年にUberは自動運転車事業の「Advanced Technologies Group(ATG)」を、Googleの自動運転車開発プロジェクトの元主任エンジニアが設立したスタートアップのAurora Innovationに売却すると発表しました。

Uberが約4200億円で自動運転部門をスタートアップに売却 – GIGAZINE

By Dllu

部門を売却して自動運転技術開発から撤退したUberは、2022年頃から自社開発ではなく、他社との提携によるロボタクシー事業に着手しています。2021年には自動運転車の開発に取り組む「Motional」の技術を用いてUber Eatsでの配達業務の一部を自動運転車で行う計画を発表したほか、2022年にはWaymoとUberがパートナーシップを結んで無人トラック実用化に向けたプロジェクトや、Uber Eatsライドシェアの配車でWaymoの完全自動運転車を選択できるようになるなど、Uberは独自の都市交通データを生かして他社の自動運転技術と協力する体制に移行しました。

Uber EatsがGoogle発の自動運転車企業Waymoと提携し自動運転車での配達をスタート – GIGAZINE


Uberが2025年7月17日に発表したLucid&Nuroとの提携は、他社の自動運転技術と提携する事業の一環として、数年ぶりにUberがロボタクシー業界に再参入するプロジェクトといえます。2026年後半にアメリカの主要都市で開始される予定のロボタクシーに使用する車両は、Lucidが2025年後半から販売する新型SUV「Gravity」で、Nuroが開発した自動運転技術を搭載し、Uberアプリでのみ利用可能です。以下はリリースで公開されたロボタクシーの外観で、車体に「LUCID」「nuro」「Uber」と表記があります。


Uberによると、2025年7月時点ではラスベガスの試験場でプロトタイプの1台のみが自動運転走行していますが、2030年までに2万台以上を導入することを目指しているとのこと。発表では「Uberは各パートナーとの関係深化の一環として、NuroとLucidの両社に数億ドルの投資を行う計画」と述べられており、Uberの広報担当のニック・トワーク氏はメディアの取材に対し、「Lucidに3億ドル(約440億円)を投資」「Nuroへの投資額はそれよりもはるかに大きい」と明かしています。

UberのCEOであるダラ・コスロシャヒ氏は今回のパートナーシップについて、「自動運転車は、私たちの都市をより良い方向へ変える大きな可能性を秘めています。Uberプラットフォーム専用に開発された新しいロボタクシープログラムにおいて、NuroおよびLucidと提携できることを大変嬉しく思います。これにより、世界中のより多くの人々に、自動運転の魔法を安全にお届けできるようになります」と語りました。

また、LucidのCEOであるマーク・ウィンターホフ氏は「Uberからの今回の投資は、Lucidのアーキテクチャとプラットフォームが自動運転車に最適であること、そして業界をリードする走行距離や広々とした車内がライドシェアに最適であることを改めて証明するものです。これは、当社のイノベーションとテクノロジーリーダーシップを数兆ドル規模の市場に拡大していくための第一歩です」と述べています。Nuroの共同創業者兼CEOであるジアジュン・ジュ氏は「Nuroは10年近くかけて、安全で拡張性が高く、車両に依存しないAIファーストの自動運転システムを構築してきました。その効果は、5年間にわたる自動運転の導入実績によって実証されています。Nuroの自動運転技術とLucidの先進的な車両アーキテクチャ、そしてUberのグローバルプラットフォームを組み合わせることで、世界中の何百万人もの人々にサービスを提供するロボタクシーサービスを実現できることを誇りに思います。この提携は、実績のある自動運転技術と現実世界との融合によって何が可能になるかを示すものになると信じています」とコメントしています。

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