スポンジの細菌汚染を防ぐには、週に1回は電子レンジで加熱したり酢に浸したり、食器洗い機で洗ったりして消毒することが重要で、洗った後も臭いが残る場合は交換するべきです。また、食器を洗うスポンジと食材を洗うスポンジを分けるなど、用途に応じてスポンジを使い分けることも有効です。
まな板には包丁で切った跡に細菌が付着することがあり、特に乾燥した表面で何時間も生きられるサルモネラ菌や大腸菌は、適切に洗われなかったまな板の上で繁殖する危険性が高いとのこと。モハメッド氏は、「生の肉と野菜は別々のまな板を使いましょう。また熱い石けん水でよく洗い、しっかりすすいで完全に乾かしてください。そして、深い溝ができたまな板は交換しましょう」とアドバイスしました。
◆台所のタオル
布製のタオルを皿洗い後の手拭きや汚れの拭き取りに使っている人は多いはずですが、こうしたタオルは長いこと交換されないままの場合もあります。サルモネラ菌や大腸菌は乾いた布の上で長期間生息できるため、繁殖を防ぐには定期的に漂白剤や消毒剤を入れたお湯で洗うか、使い捨てのペーパータオルを使うのがオススメです。
◆スマートフォン
多くの現代人はトイレだろうとお風呂だろうとスマートフォンを手放しませんが、スマートフォン本体の温かさと頻繁な取り扱いは、細菌の繁殖にとっても好都合です。スマートフォンには有害な黄色ブドウ球菌などが繁殖しているとの研究結果もあることから、モハメッド氏は「トイレではスマートフォンを使わず、こまめに手を洗いましょう。そして、軽く湿らせたマイクロファイバークロスと中性洗剤で洗ってください」と述べています。

◆トイレの近くに置かれた歯ブラシ
トイレの水を流すと微細な飛まつが拡散し、近くの歯ブラシに付着する可能性があります。ある研究によると、バストイレ一体型の浴室に置かれた歯ブラシには、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が生息している可能性があるとわかりました。
モハメッド氏は、「歯ブラシはトイレからできるだけ離れた場所に保管してください。使用後は毎回すすいで、立てた状態で自然乾燥させて、3カ月ごとまたはそれより早く摩耗した時に交換してください」とアドバイスしました。
◆バスマット
布製のバスマットはお風呂やシャワーを使うたびに水を吸収して、細菌や真菌が繁殖しやすい環境となっています。そのため、バスマットは使用後に毎回吊るして乾かし、週に1回は熱湯で洗う方が安全です。また、珪藻(けいそう)土マットは速乾性があって残留水分が除去されるため、微生物の繁殖を抑えられるとのことです。
◆ペット用のタオルとおもちゃ
ペット用のタオルやおもちゃは湿っている時間が長く、ペットのだ液や毛、尿、屋外の細菌などと頻繁に接触するため、細菌の温床になりやすいものです。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)も、ペット用のおもちゃには大腸菌や黄色ブドウ球菌、緑膿(りょくのう)菌などが生息している可能性があると指摘しています。そのため、これらのペット用品も毎週お湯とペットに安全な洗剤で消毒し、乾燥させることが重要です。

◆共有の爪切りや美容ツール
爪切りや甘皮プッシャーといった美容ツールは、適切に洗浄されていないと抗生物質耐性菌や緑膿菌などを拡散させる可能性があるとのこと。モハメッド氏は、「サロンには自分の道具を持っていくか、どのように消毒されているのかサロン側に確認するようにしてください。信頼できるサロンであれば、衛生管理について喜んで説明してくれます」と述べました。
◆空港の保安検査場のトレー
空港の保安検査場では、荷物をトレーの上に載せてチェックしてもらいますが、このトレーは毎日数百人が使うにもかかわらずめったに洗浄されていません。2018年の(PDFファイル)研究では、これらのトレーに大腸菌などの細菌が高濃度で生息していることがわかっているため、保安検査の後は手を洗うか消毒すると安全です。
◆ホテルのTVリモコン
ホテルのTVリモコンは多くの人々が触るにもかかわらずめったに消毒されないため、トイレの便座よりも汚れている可能性があるそうです。そのため、ホテルの部屋に入ったら両面を除菌シートなどで拭くか、透明のビニール袋に入れてその上から使うといった対策を取るのがオススメだとのこと。

モハメッド氏は、「細菌は至る所に存在しており、あなたが毎日使う物にも付着しています。すべての細菌を避けることはできませんし、ほとんどの細菌はあなたを病気にすることはありません。しかし、手洗いの習慣を身につけたり、清掃を徹底したり、適切な保管方法を実践したりするなどの良い習慣を身につけることで、自分や他人を守る手助けができます」と述べました。