MetaはオープンソースのAI開発路線を変更してクローズドモデルの開発に移行するとの報道、「Behemoth」の開発は中止か – GIGAZINE


Metaの新設したスーパーインテリジェンスラボのトップメンバーは、同社のオープンソースでのAI開発という方針を転換し、クローズドモデルの開発に移行することを検討しているとThe New York Timesが報じました。

Meta’s New Superintelligence Lab Is Discussing Major A.I. Strategy Changes – The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/07/14/technology/meta-superintelligence-lab-ai.html

Meta built its AI reputation on openness — that may be changing | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/07/14/meta-built-its-ai-reputation-on-openness-that-may-be-changing/


The New York Timesが関係者から独自に入手した情報によると、MetaはオープンソースのAIモデルである「Llama 4 Behemoth」のトレーニングを完了したものの、内部で行ったパフォーマンステストの結果が期待外れのものだったため、リリースを延期したそうです。

Metaは総パラメーター数2兆の超大規模AIモデル「Llama 4 Behemoth」をリリース予定だが開発が難航し2025年秋以降に延期したとの報道 – GIGAZINE


その後、Metaはデータラベリングサービス・Scale AIへの148億ドル(約2兆1900億円)の投資の一環として、同社のCEOであるアレクサンダー・ワン氏を新設予定のAI研究所のトップに据えると報じられました。実際、7月になってMetaは超知性(スーパーインテリジェンス)の開発に取り組む「Meta Superintelligence Labs(MSL)」を設立しています。

人知を超えるAI=超知性を開発する「Meta Superintelligence Labs」の設立をマーク・ザッカーバーグCEOが宣言 – GIGAZINE

by Cory Doctorow

The New York Timesの報道によると、MSLの設立によりMetaはLlama 4 Behemothの開発を中止し、代わりにクローズドソースでのAIモデルの開発について協議しているとのこと。この報道について、Metaの広報担当者は「今後も主要なオープンソースAIモデルのリリースを継続していく予定です。これまで開発してきたものすべてをリリースしたわけではなく、今後もオープンソースモデルとクローズドソースモデルを組み合わせたトレーニングを継続していく予定です」とテクノロジーメディアのTechCrunchに述べ、今後もオープンソースでのAIモデルの開発を続けるとしつつ、同時にクローズドソースのAIモデルも開発する意向を示しました。

なお、Metaの広報担当者は同社がLlama 4 Behemothの開発を中止したのかについてはコメントしていません。TechCrunchは「もしもMetaがクローズドソースのAIモデル開発を優先するようになれば、それはMetaにとって大きな理念の変化となるでしょう」と語りました。

MetaはLlamaのようなオープンソースのAIモデルと、独自のAIアシスタントであるMeta AIに搭載されているようなより高度なクローズドソースのAIモデルを開発しています。Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、オープンソースを同社のAI戦略の中核に据え、開発を加速させてきました。ザッカーバーグCEOはLlamaのオープン性がOpenAIなどの競合他社との差別化要因になったと主張しています。一方、競合のOpenAIはMicrosoftとの提携後、より閉鎖的になっており、このことをザッカーバーグCEOは公然と批判しています。

「オープンソース」を称するAIモデルは実際どのくらいオープンなのか? – GIGAZINE


Metaは世界トップクラスのAI研究者を擁しているにもかかわらず、AIの商業化についてはOpenAI、Anthropic、Google DeepMind、xAIといったライバルと比較すると依然として後れを取っています。MetaがクローズドソースのAIモデルの開発を優先すれば、同社はさらなる収益化の手段を得ることが可能となるとTechCrunchは指摘しています。

さらに、MetaがオープンソースのAI開発から一歩退くことになれば、DeepSeekやMoonshot AIといったオープンソースAIを採用してきた中国にオープンソースAI市場での優位性を譲る可能性があるとTechCrunchは指摘しました。

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