長寿で健康な生活、知識、人間らしい生活の3つの分野から測定される社会指標「人間開発指数(HDI)」とAIの関係性を見いだした国連開発計画(UNDP)の報告書で、各国のAIに対する理解度、期待度、信頼度などが明らかになりました。
hdr2025reporten.pdf
(PDFファイル)https://hdr.undp.org/system/files/documents/global-report-document/hdr2025reporten.pdf
Trust in AI Strongest in China, Low-Income Nations, Study Shows – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-06-20/trust-in-ai-strongest-in-china-developing-countries-un-study
UNDPは21カ国を調査して各国のHDIを「低い」「中程度」「高い」「非常に高い」の4段階に分類し、複数の調査結果を公表しています。
教育・医療・労働の分野におけるAIの平均利用率を尋ねた調査では、AIを過去1カ月間に使用したか(青丸)、今後1年で利用する可能性があるか(赤丸)という指標が浮き彫りになっています。UNDPによると、HDIが低・中程度の国ほど利用率が低い一方で利用する可能性は高く、HDIが非常に高い国は既に利用している人はそれなりにいるものも新たに利用する可能性は非常に低いという回答であることがわかりました。
Bloombergによると、調査対象国の3分の2では、回答者の半数以上が「AIが社会の利益のために設計されている」とある程度の信頼感を示したとのこと。特に中国では調査対象者の83%が「信頼している」と答えた点が顕著でした。中国と同様に、AIへの信頼を表明した国の多くは、キルギスやエジプトなどUNDPの人間開発指数に基づく開発レベルが「高い」国です。一方で、これらの国は所得が低い傾向にあります。
「AIが社会の利益のために設計されている」という質問に「確信がある」と答えた人(黒)と「確信がない」と答えた人(青)の割合です。アスタリスク(*)が付いている国は、HDIが「非常に高い」とされる国です。HDIが非常に高い国は「確信がある」と答える人の割合が少ないですが、日本は例外的に半数を超えています。
調査回答者の大半はAIによって仕事の生産性が向上すると確信しています。以下の図は、横軸がAIの利用割合で、縦軸がAIが自身の業務生産性を向上させると確信している人口の割合です。
また、低所得国ほどChatGPTにアクセスする割合が低く、AIを利用することの格差が広がる点も懸念されています。
UNDPの研究・戦略パートナーシップ顧問であるヘリベルト・タピア氏は「企業が新しい技術を開発しても、人々がそれを信頼しなければ、人々はそれを使用しないだろう」と語りました。
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