小型デジカメ「X half」は「プレビューを確認せずにフィルムが切れるまで撮影して現像を待つ」というフィルムカメラの撮影体験を味わえるエモいカメラでした – GIGAZINE


富士フイルムが小型のフィルムカメラ風デジタルカメラ「X half(製品名:FUJIFILM X-HF1)」を2025年6月26日(木)に発売します。X halfはハーフサイズカメラのように縦長構図を基本としたカメラで、フィルムカメラの「フィルムを使い切るまで撮影して、現像を待つ」という撮影フローを体験できる「フィルムカメラモード」が搭載されています。一足先にX halfを使う機会を得られたので、フィルムカメラモードでいろいろ撮影してみました。

FUJIFILM X half (Xハーフ)-富士フイルム Xシリーズ & GFX – 日本 | カメラ | FUJIFILM X Series & GFX – Japan
https://www.fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-hf1/

・目次
◆1:X halfはどんなカメラなのか?
◆2:PROVIA(プロビア)で撮影
◆3:NOSTALGIC Neg.(ノスタルジックネガ)で撮影
◆4:REALA ACE(リアラエース)で撮影
◆5:まとめ

◆1:X halfはどんなカメラなのか?
X halfは小型軽量のデジタルカメラで、フィルム巻き上げレバーのようなパーツを搭載していたり光学式のファインダーを搭載していたりとフィルムカメラっぽさ全開のデザインが特徴です。X halfの外観は以下の記事に詳しくまとめています。

富士フイルムのフィルムカメラ風デジカメ「X half」の外観を詳しくチェック、縦長モニターや光学ファインダーを搭載した異色のカメラ – GIGAZINE


X halfは縦長のディスプレイを搭載しており、縦長構図を基本構図としています。縦長のディスプレイを見ながら撮影すれば、「シャッターを押す前にディスプレイを見ながら構図やピント位置を調整する」という一般的なデジタルカメラと同様の感覚で撮影できます。


X halfには、フィルムカメラの撮影体験を再現した「フィルムカメラモード」が備わっています。フィルムカメラモードに切り替えるとディスプレイにプレビューが表示されなくなり、代わりに「撮影枚数」や「AF・MF切り替えスイッチ」などが表示されるようになります。つまり、プレビューを確認せずに、光学式ファインダーや自分の感覚を頼りに撮影する必要があるということです。


富士フイルムのデジタルカメラには「フィルムシミュレーション」という描画モード切替機能が搭載されており、標準は「PROVIA」、ビビッドは「Velvia」といったように各モードにフィルムの名前が割り当てられています。X halfのフィルムカメラモードでは、設定した枚数の撮影が完了するまで同じフィルムシミュレーションを使い続ける必要があります。これによって「36枚撮りのPROVIAフィルムをカメラにセットして、フィルムを使い切るまで撮影する」というフィルムカメラの撮影フローを再現しているというわけ。


X halfにはフィルムカメラの巻き上げレバーっぽいパーツが付いており、フィルムカメラモードでは1枚撮影するたびにレバーを動かす必要があります。


また、フィルムカメラモードで撮影した写真は以下のようにフィルムごとにまとまった状態で記録され、カメラ本体のディスプレイでは撮影結果を確認することができません。


ではどうやって撮影結果を確認するのかというと、専用アプリの「X half App」にフィルムのデータを取り込んで「現像」することで確認可能になります。


現像後は、写真データがスマートフォンに保存され、X half Appや各種画像管理アプリで閲覧できるようになります。X halfのデジタルカメラモードでは上記のように「フィルムをセットして、プレビューを見ずに光学式ファインダーや自分の感覚を頼りにフィルムを使い切るまで撮影して、現像して写真を確認する」というフィルムカメラっぽい撮影体験を楽しめるというわけです。


なお、一度現像処理した写真はSDカードの中にフィルムごとにフォルダ分けされた状態で保存されます。


カメラのディスプレイで撮影結果を確認することはできませんが、一度現像すればPCなどに画像を移動させて写真の管理や編集が可能です。


◆2:PROVIA(プロビア)で撮影
というわけで、フィルムカメラモードの使い心地やX halfの撮影性能を検証するべく、一般的なカメラの標準モードに相当する「PROVIA」をセットして屋外に出かけてみました。なお、記事中の作例写真にはサイズ縮小以外の編集は施しておらず、各画像をクリックすることで縮小前のオリジナル写真を確認できます。


昼間の生活道路を撮影。右下に日付が入っていますが、設定から日付の写し込みを無効化することもできます。


ネパール食堂バルピパルの外観を撮影。


店頭で野菜が売られていました。


ダルバート(定食料理)を撮影。X halfのファインダーは光学式で、ファインダー越しに見える風景と写真に写る風景には少しの差が生じます。このため、「料理の皿全体を記録したい」といったように撮影範囲にこだわった撮影をする際は「ここまで画角に入れるには、被写体からこのくらい離れておく必要があるな」という距離感覚が求められます。


肉料理を撮影。難しいことは考えずに「ちょっとくらい撮影範囲の想定からズレてもいいか」と割り切ってしまうのもありです。


梅が売られていました。


古びた三角コーンを撮影。最近のデジタルカメラは撮影前のプレビュー画面と撮影結果がほぼ一致しているため「構図や露出や被写界深度などにこだわって、1枚の写真を撮影するのに数十秒かけてしまう」ということになりがちですが、X halfの場合は「ときめきを感じた被写体をサッと撮影する」といったように自分の体験を重視した撮影体験を楽しめます。


◆3:NOSTALGIC Neg.(ノスタルジックネガ)で撮影
続いて、フィルムシミュレーションを「NOSTALGIC Neg.」にセットして夜間の街を撮影してみました。「NOSTALGIC Neg.」は「アメリカン・ニューカラーの時代と、作家たちのレンズの先にあった”過ぎ去った時間への憧れ”から生まれたルック」とのことで、「メリハリのある階調」「シャドウが青やグリーンに沈む」「アンバー基調で温かみがある」といった特徴を備えています。


閉店後のスーパーマーケットを撮影。


アーケードの下も人通りが少なくなっています。


たこ焼き屋はギラギラ輝いていました。


八百屋の前に積み重なったケース。


建物の2階に続く外階段。クリックして原寸大画像を確認するとフィルムっぽい粒状感のあるノイズがのっていることが分かります。


高い場所から夜の駅前通りを撮影。


暗い場所で明るく照らされていた緑色の葉。


駅につながる通路。


建物内部に続く階段。「NOSTALGIC Neg.」は何気なく撮影した写真でも印象的に仕上がりやすいです。


◆4:REALA ACE(リアラエース)で撮影
最後にREALA ACEで撮影してみました。REALA ACEは「深く軟らかなシャドウと硬めのハイライト」「澄んだ奥行き」「彩度が高い被写体ほど色を抑制する設計」といった特徴を備えています。


ちょっと色あせた郵便ポスト。


公園の遊具。


橋。


橋から見える河川敷。


振り返って橋の下側も写るように撮影。メリハリのあるコントラストです。


太陽を透かしつつ街路樹を撮影。逆光状況でもシャドウ部の階調が保たれているのが面白いポイント。


青い空と真緑の植物。


梅雨の真っ最中にもかかわらず雲のほとんど見えない濃い色の空だったので、空がメインになるように撮影してみました。地面から離れるほど色が濃くなっていく様子をうまく表現できています。


◆5:まとめ
X halfのフィルムカメラモードを使い始めた当初は「うまく撮影できているかな?」と不安になることもありましたが、慣れて来ると「カメラに集中しすぎず、体験を重視しながら撮影できる」という感覚が楽しくなりました。小型軽量で持ち運びやすいのもうれしいポイント。縦長構図での撮影はスマートフォンでの撮影感覚に近い部分もあるため、フィルムカメラに懐かしさを感じる人だけでなく「日常生活で出会った面白いものをスマートフォンで撮影するのが好き」という人にもオススメできます。


X halfは2025年6月26日(木)に発売予定で、希望小売価格はオープン価格です。記事作成時点では家電量販店などでの予約販売が始まっており、一例としてヨドバシ.comでは11万8800円で売られています。

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