iPhoneの「メモ」がMarkdownに対応予定と報じられるもMarkdown発明者は「メモにMarkdownは不要」とコメント – GIGAZINE


Markdownはシンプルな記号を使って見出しや太字といったテキストの装飾を指定しつつ文章を執筆できるマークアップ言語です。このMarkdownにAppleの「メモ(Notes)」が対応することが報道されているのですが、Markdownの発明者であるジョン・グルーバー氏は「メモにMarkdown機能は不要だ」という持論を展開しています。

Daring Fireball: 9to5Mac Reports Apple Notes Will Gain Markdown Export at WWDC, and, You’ll Be Unsurprised to Know, I Have Thoughts
https://daringfireball.net/linked/2025/06/04/apple-notes-markdown

Markdownは「『#』を行頭に付けると見出しとして扱う」「フレーズの前後を『**』で囲むと太字として扱う」といったルールを積み重ねたマークアップ言語で、もともとはHTMLでのウェブページ作成を簡略化する記法として開発されました。Markdownは「ルールがシンプルで覚えやすい」「OSやアプリに依存することなく同じ記法でテキストを装飾できる」といったメリットを持っていることからHTML作成以外の分野でも広く用いられるようになり、最近ではWindowsのメモ帳がMarkdownに対応することが発表され話題となっています。

プロジェクト管理ツールのYouTrackでMarkdownを使って文章を書いた例が以下。Markdownに対応していないアプリで「見出しにする」「太字にする」「取り消し線を付与する」といった操作をする際はメニューから当該機能を探してクリックしたり文字列を選択してショートカットキーを押したりする必要がありますが、Markdownを使えばキーボードで記号を打ち込むだけで書式を設定できます。


そんなMarkdown形式について、Apple関連の情報を扱う海外メディアの9to5Macが「iOS 26でメモにMarkdown出力機能が搭載される」と2025年6月3日に報じました。

Exclusive: iOS 26 to bring new features for Messages, CarPlay, and more – 9to5Mac
https://9to5mac.com/2025/06/03/exclusive-ios-26-messages-carplay-more/


この報道に反応する形でMarkdownの発明者であるジョン・グルーバー氏がブログ記事を公開し、「メモがBearObsidianのようなMarkdownエディターになるという話が広がっているが、個人的にはメモでMarkdownを使いたくはない」「Appleがメモをオプション機能であってもMarkdownエディターにするということは大きな間違いだと思う」という持論を展開しました。

グルーバー氏はAppleのメモを嫌っているわけではなく、むしろ「非常に使いやすいインターフェースを備えた理想的なリッチテキストエディター」として高く評価しています。また、「あらゆる場所でMarkdownを使いたい」という需要にも理解を示しています。しかし、グルーバー氏自身はMarkdownをあくまで「HTMLを簡略化した記法」として捉えており、発明から20年以上が経過した2025年時点でもウェブ記事を執筆する以外の用途には使っていないとのこと。

グルーバー氏は「メモは理想的なインターフェースを備えていて、まったくナード(オタク)っぽくありません。編集モードとプレビューモードを切り替える必要もありません。これがMacの流儀です。醜くてオタクっぽい『#』を接頭辞として使う必要はないのです」と述べています。

グルーバー氏の意見に対して、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsに集ったMarkdown愛好家たちは「確かにMarkdownをエディターのフォーマットとして利用するには難点もある。しかし、Markdownには『クリアテキストであるため、ベンダーロックインの影響を受けることがない』『独自フォーマットに縛られないので、いつでもデータを持ち出すことができる』といった大きなメリットがある」といったコメントを残しています。

また、「Markdownでは『#』や『-』などといった記号を多用するが、iOSのキーボードではそれらの記号が打ち込みにくいので、PCのキーボードを使うときよりも不便になる」という意見も投稿されていました。

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