トランプ大統領の関税は違法と貿易裁判所が判断 – GIGAZINE


メモ


ドナルド・トランプ大統領が発令した関税のうち、すべての輸入品に一律10%の関税を課した措置や、国・地域別に税率を課した「相互関税」などを違法とする判決をアメリカの国際貿易裁判所が下しました。就任直後から進められてきたトランプ大統領の関税政策に待ったをかける初の法的判断で、上級裁判所の介入が待たれています。

UNITED STATES COURT OF INTERNATIONAL TRADE Slip Op. 25-66.pdf
(PDFファイル)https://www.cit.uscourts.gov/sites/cit/files/25-66.pdf

Trump’s Global Tariffs Deemed Illegal and Blocked by US Trade Court – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-05-28/trump-s-global-tariffs-blocked-by-us-trade-court

Federal trade court blocks Trump’s sweeping ‘Liberation Day’ tariffs | AP News
https://apnews.com/article/trump-tariffs-trade-court-0392dbd59f548e49ad4f64254ae3f94a

Trump’s tariffs blocked by federal trade court
https://www.axios.com/2025/05/28/trump-tariffs-trade-court-ruling

トランプ政権は、大統領が相次いで課した関税が越権的で法に反しているとして複数の訴訟を受けています。このうち2件の訴訟が国際貿易裁判所の3人の判事団に審理され、トランプ大統領の関税は1977年の国際緊急経済権限法に反するとの判決が下され、差し止めが命じられました。

国際緊急経済権限法は国家の緊急事態に際し脅威を排除する権限を大統領に与えるもので、トランプ大統領はこれを根拠に一律関税や相互関税、カナダ、メキシコ、中国への追加関税を発令していました。

判事団は、国際緊急経済権限法は世界中のほぼすべての国からの製品に無制限の関税を課せられるほどの権限を与えるものではなく、トランプ大統領の関税政策は大統領の権限を超えていると結論づけています。

一方、1962年通商拡大法第232条に基づいて課せられた外国製鉄鋼とアルミニウムに対する25%の関税など、他の関税については言及されませんでした。


トランプ政権はこの判決を不服として上告することを通知しました。ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官は「諸外国によるアメリカへの非礼な扱いが、アメリカの歴史的かつ持続的な貿易赤字に拍車をかけてきた。これらの赤字は、アメリカの地域社会を壊滅させ、労働者を見捨て、防衛産業基盤を弱体化させる国家非常事態を生み出してきた。国家非常事態にどう対処するかを決めるのは、選挙で選ばれたわけでもない裁判官ではない」との声明を寄せています。


中小企業からなる原告団は「トランプ大統領は法律を悪用しており、インチキな緊急事態に基づいて関税をかけていると主張している。アメリカは49年間連続で貿易赤字を抱えているため緊急事態でも何でもなく、仮に緊急事態であっても大統領が全面的な関税を課すことは認められない」と主張しました。

もう1つの訴訟はオレゴン州とアリゾナ州が主導する計12の州の司法長官が原告となっています。オレゴン州のダン・レイフィールド司法長官は判決を受け、「我々の法律こそが重要なものであり、貿易に関する決定が大統領の気まぐれで行われるべきではないことを再確認するものだ。この決定により国際緊急経済権限法に基づく関税は停止される。中国からの輸入品に対する145%の関税、EUからの輸入品に対する50%の関税といったものも含まれる」とコメントしました。

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