SHEINが「偽の値引き情報」や「偽の購入期限」を表示していたとする調査結果を欧州委員会が発表 – GIGAZINE


欧州委員会と消費者保護協力(CPC)ネットワークが中国発のファストファッション企業「SHEIN」に対して、「複数の行為がEUの消費者保護法に違反している」とする通知を送付しました。欧州委員会はSHEINに対する調査を続けています。

Commission and national authorities urge SHEIN to respect EU consumer protection laws
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_1331


SHEINは2012年に中国で創業されたファストファッション企業で、記事作成時点では本社をシンガポールに移し日本を含む150以上の国や地域でサービスを展開しています。SHEINで販売されている製品は安価なものが多く、衣料品にかかるコストを抑えようとするユーザーから人気を集めています。


EUでは大規模なオンラインプラットフォームに対してオンライン上でのユーザー保護を義務付ける「デジタルサービス法(DSA)」が施行されており、2024年4月26日にはSHEINも「大規模プラットフォーム」に指定されてDSAの規制対象となりました。その後、EUの行政執行機関である欧州委員会と消費者保護を担当するCPCネットワークがSHEINに関する調査を開始し、2025年5月26日にはSHEINに対して「複数の行為がEUの消費者保護法に違反している」という通知を送付して法律への準拠を求めました。

欧州委員会とCPCネットワークが違反だと指摘したSHEINの行為は以下の通りです。

・偽の割引き
SHEINの製品販売ページには「元の価格から○%割引き」という割引き価格が表示されていることが多いです。しかし、この「元の価格」はウソで、実際には値引きしていないにもかかわらず値引きしているように見せかけているそうです。


・押しつけ販売
SHEINの販売ページには「在庫残りわずか」などの「ユーザーに購入の決断をあせらせる情報」が表示されます。ところが、この情報にもウソが含まれていたとのこと。

・情報不足
SHEINは製品の返品や返金に関連するユーザーの法的権利について不完全もしくは不正確な情報を表示していたそうです。

・偽の製品ラベル
「法的に基準が定められているフレーズ」を基準を満たしていない製品の宣伝文句として使用していたとのこと。

・持続可能性に関する誤解を招く情報
製品の持続可能性について虚偽もしくは誤解を招く情報を表示していたとされています。

・詳細な連絡先を表示していない
SHEINは質問や苦情に関する連絡先を提示しておらず、ユーザーはSHEINに問い合わせることができなかったとのこと。

加えて、CPCネットワークはSHEINに対して「製品のランキングやレビューに誤解を招く情報が含まれていないか」「SHEINとサードパーティー業者の間で契約上の義務がどのように分担されているか」などを調査するための情報提供を要請しています。

SHEINは通知から1カ月以内に対応策を提示する必要があります。SHEINが通知に対応しない場合、EU加盟国はSHEINに対して「年間売上高に基づく罰金」を含む強制措置を講じることができます。

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