iPhoneなどのデバイスでユーザーの年齢確認を義務付ける法案の拒否権発動または修正をAppleのティム・クックCEOが知事に要求 – GIGAZINE


AppleはiPhoneユーザーに対する年齢確認を義務付けるテキサス州の法案に対抗する取り組みを強化しており、同社のティム・クックCEOはテキサス州のグレッグ・アボット知事に電話をかけ、法案の修正あるいは拒否権の発動を求めたことがわかりました。

Exclusive | Apple CEO Tim Cook Called Texas Governor to Stop Online Child-Safety Legislation – WSJ
https://www.wsj.com/tech/tim-cook-called-texas-governor-to-stop-online-child-safety-legislation-22858ad4

Tim Cook calls Texas governor over App Store age verification bill – 9to5Mac
https://9to5mac.com/2025/05/23/tim-cook-calls-texas-governor-over-age-verification-bill/

Why is Apple trying to jam up a bill in Texas that protects children online? – PhoneArena
https://www.phonearena.com/news/apple-and-cook-try-to-stop-texas-from-passing-a-bill-protecting-children_id170717

Apple CEO reportedly urged Texas’ governor to ditch online child safety bill | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/05/23/apple-ceo-reportedly-urged-texas-governor-to-ditch-online-child-safety-bill/

Apple opposes Texas app store age verification bill | The Verge
https://www.theverge.com/internet-censorship/673771/apple-texas-age-verification-law-objection-tim-cook

テキサス州はスマートフォンを利用する若者を保護するため、いわゆる「アプリストア責任法」を制定しようとしています。同様の法案が少なくとも9つの州で提案されており、ユタ州ではすでに可決されていますが、テキサス州の法案は他の州のものと比較して最大規模となる見込みです。アプリストア責任法を推進しているのは政府機関だけではありません。FacebookやInstagramを運用するMetaは、ソーシャルメディア企業のSnapやXと共にロビー活動を行い、モバイルユーザーの「年齢制限」は個々のアプリではなくアプリストアが行うべきと主張しています。

一方、アプリストアを運営するAppleやGoogleはアプリストア側に年齢確認を義務付けることは間違いであると主張しています。Googleは「Metaやその他の企業が子どもの安全を守る責任をアプリストアに押し付けるべく、さまざまな法案を推進している」と批判しており、アプリストアが年齢確認を行うようになればさまざまなリスクが生じると警告しました。

Googleがアプリストアに年齢確認を義務付ける法案について「Metaやその他企業が子どもの安全保護をアプリストアに一方的に押し付けるもの」と批判、アプリストアよりもアプリの方がより適切に子どもの安全に対処できると主張 – GIGAZINE


テキサス州でもアプリストアに年齢確認を義務付ける法案が審議されています。テキサス州議会では多数決で可決されたものの、同州のアボット知事はこの法案に署名するか否かについてはまだ明言していません。

そんな中、AppleのクックCEOは2025年5月の第3週にアボット知事に電話をかけ、法案の修正あるいは拒否権発動を求めたことが明らかになりました。関係者によると、クックCEOとアボット知事の会話は友好的なものであり、Appleが法案阻止にどれだけ関心を持っているのかが明らかになっています。

法案成立までの数週間、Appleは議員に圧力をかけるため、多くのロビイストを雇用していたことも明らかになっています。Appleが資金提供している利益団体は、テキサス州オースティン地域をターゲットに、この法案は「ポルノサイトが支援している」と訴える広告を掲出。また、Googleもこの利益団体に資金提供し、法案に反対しています。なお、テキサス州倫理委員会によるとAppleは6人、Googleは7人のロビイストをテキサス州で雇用していますが、Metaは13人を雇用しているそうです。


テキサス州の法案が注目を集めている理由は、共和党が議会を率いる人口第2位の州で法案が可決されたことで、アメリカ全土で同様の法案が導入される可能性があるためです。法案が導入されれば、AppleやGoogleだけでなく、一部のアプリメーカーに新しいコストを負担する可能性があります。

アプリストア責任法の支持者は、「法案は親が子どものスマートフォンの使用をより厳しく管理することを可能にするためのものである。そもそも子どもがアプリの利用規約に同意することは法的に認められていない」と主張しています。

一方、アプリストア責任法の反対者はコンテンツが物議をかもすようなものではない多くのアプリに対しても、コストを課すことになると指摘。また、Googleの意見と同様に「アプリストア責任法はMetaなどのアプリがオンライン上での安全性に関する責任を他者に押し付けるものだ」と批判する声もあります。


Appleの広報担当者は、Appleが児童のオンライン上の安全性を強化したいと考えているものの、テキサス州の法案はユーザーのプライバシーを脅かすものだと主張しました。「この法案が成立すれば、アプリマーケットプレイスは、たとえ天気予報やスポーツのスコア情報を提供するだけのアプリであっても、アプリをダウンロードしたいすべてのテキサス州民の個人識別情報を収集し、保管することが義務付けられることになります」と語っています。

一方、Metaはアプリストアレベルで年齢確認が行われるようになれば、子どもがアクセスするすべてのアプリではなく、1か所でまとめて子どもの年齢を確認する方が簡単かつプライバシー保護に役立つと言及しました。

アボット知事の広報担当者は、「テキサス州の子どもたちの安全とオンラインプライバシーは、アボット知事にとって引き続き最優先事項です。知事は、提出された他の法案と同様に、この法案も慎重に検討します」とだけ語っています。

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