過去に流通した誤情報に接触した人の半分が「正しい情報」と思っていて25%が何らかの手段で拡散している – GIGAZINE


総務省は2025年5月13日、偽・誤情報の拡散傾向の実態把握を目的とした「ICTリテラシー実態調査」の調査結果を発表しました。調査では、過去に流通した偽の情報、誤情報を見聞きした約3000人に聞き取り調査を実施しており、約半数がその偽・誤情報を信じていたことが示されています。

(PDFファイル)ICTリテラシー実態調査 総務省 情報流通行政局 情報流通振興課
https://www.soumu.go.jp/main_content/001008791.pdf


総務省|報道資料|ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表及びテレビ・WebCMの放映開始
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000176.html

総務省は、インターネットやSNSにおける利用者のICTリテラシー向上を目指し、2025年1月に官民連携での意識啓発プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」を立ち上げました。DIGITAL POSITIVE ACTIONではICTリテラシー向上に向けた普及啓発教材の作成やセミナーの開催などの取り組みをしており、プロジェクトに関連して実施されたのが「ICTリテラシー実態調査」です。

ICTリテラシー実態調査では、「1:偽・誤情報の認識・拡散状況」「2:偽・誤情報の拡散理由と手段」「3:SNS・ネット情報に対する正誤判断の基準など」「4:ICTリテラシーに関する認識」の4点について、全国の15歳以上の男女2820人を対象としてインターネット調査が行われました。調査期間は2025年3月31日から4月2日。

1:偽・誤情報の認識・拡散状況
過去に流通した偽・誤情報を見聞きした人に対して、その内容の真偽をどのように考えるか尋ねたところ、「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した人の割合は47.7%で、約半数が偽・誤情報を信じていたことが判明しました。「どちらともいえない」と回答したのが25.6%、「誤った情報だと思う」「おそらく誤った情報だと思う」と偽・誤情報をある程度見分けることができていたのは約26.7%でした。


また、偽・誤情報に接触した際に、家族や友人に話したり、SNS等で拡散したりした人の割合は25.5%と、約4分の1の人が偽・誤情報を何らかの手段で拡散していたとわかりました。年齢別だと、特に拡散していたのは30代で半数以上が偽・誤情報を発信しています。


2:偽・誤情報の拡散理由と手段
偽・誤情報を何らかの手段で発信した人に拡散した理由を複数回答で尋ねたところ、「情報が驚きの内容だったため」という回答が最も多く27.1%を占めていたほか、「興味深いと思った」「重要だと感じた」「他の人にとって有益だと思った」との回答がいずれも20%を超えており、情報を拡散することに意味があると信じていた可能性が高いとわかりました。また、「情報が話題になっていて流行に乗りたかったため」が2番目、「話の種になると思ったため」が3番目に多い回答で、情報の話題性を重要視していることもわかります。


偽・誤情報の拡散手段として多かったのは家族や友人へ会話で直接伝えたという身近な人への拡散が58.7%、インターネットで不特定多数の第三者に拡散した経験のある人は44.4%、身近な人へメールやメッセージアプリ等で伝えたのが44.3%。拡散されたことが多い偽・誤情報のジャンルとしては、医療・健康に関する情報が最も多く回答されました。


3:SNS・ネット情報に対する正誤判断の基準など
なぜ偽・誤情報を信頼したのかという理由について尋ねたところ、「公的機関が発信元・情報源である」と回答した人が41.1%と最も多く、特に10代は公的機関や専門家の意見を信頼しやすいことがわかりました。一方で60代以上では、「自分で論理的・客観的に考えた結果」「自分の意見や信念と一致している」などの回答が多く確認されました。また、偽・誤情報であると気付いた理由としては、「誤った情報であるという報道を見たから」という回答が特に多かったほか、次点として「動画共有サービスのコメント欄で誤った情報だと言われていたから」という回答が多く、動画共有サービスが偽・誤情報の可能性に気づくきっかけとして活用されていたことに総務省は着目しています。


4:ICTリテラシーに関する認識
「自身のICTリテラシーが高いと思う」と回答したのは35.2%で、年齢別だと10代が55.7%と自信のICTリテラシーを信頼している傾向にありました。ICTリテラシーの認識については、「ICTリテラシーが重要だと思う」、「どちらかといえば重要だと思う」を合わせた割合は87.8%と、大多数がICTリテラシーの重要性を理解していることがわかります。

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