2025年に発表されたアメリカの研究で、「玄米は白米より多くのヒ素を含んでいる」という結果が示されました。この研究結果を受けて玄米の安全性を懸念する声も上がっていますが、イギリスのノーサンブリア大学で栄養学准教授を務めるイアン・ブラウニー氏が、玄米に含まれるヒ素について心配する必要はないと解説しています。
「玄米」とは糠(ぬか)の部分が取り除かれていない状態の米のことであり、ぬかが取り除かれた白米よりも栄養価が高いとして、健康意識が高い一部の人々は積極的に玄米を食べています。
しかし新たな研究で、玄米には白米より多くのヒ素が含まれていることが示されました。ヒ素は農薬や防腐剤などに使用されてきた一方、鉱山から流出したヒ素が飲料水などに混ざることで公害の原因となったり、毒殺や暗殺などに用いられたりすることもありました。
一部のメディアはこの研究結果を受けて、「がんや自閉症に関連する有毒金属が玄米で発見され、科学者らは健康的な選択肢を再考する時が来たと言っている」「玄米は白米よりも健康的だと思いますか?研究によると、アメリカの玄米には高レベルの発がん性物質が見られます」といったセンセーショナルな見出しで報道しました。
しかしブラウニー氏は、玄米に含まれるヒ素について人々が心配する必要はないと主張しています。ブラウニー氏は、「この問題を理解するには、『容量が毒性を作り出す』という毒物学の古い原則を思い出すことが役に立ちます。言い換えれば、有害な物質も低用量であれば無害に、あるいは有益にさえなるということです」と述べています。
確かにヒ素はよく知られている毒物ですが、これは土壌や水の中に最初から存在する物質でもあり、米を含む多くの食品中に自然に含まれている可能性があるとのこと。新しい研究で示された玄米に含まれるヒ素の量も、人間の健康にリスクを及ぼすとされる基準をはるかに下回っています。
ブラウニー氏は、「農薬・防腐剤・微量金属などの言葉は、どれも文脈から外れると恐ろしいもののように聞こえるかもしれません。しかし、ほとんどの人にとって健康上のリスクは、食品に含まれる微小な量からではなく、日常的な選択から来るものです」と述べ、玄米を食べることでヒ素中毒になる可能性は低いと説明しました。
また、玄米などの食品中に含まれるヒ素について心配するだけでなく、「玄米を食べないことのデメリット」についても検討する必要があります。イギリスのような先進国で、国の健康的な食事ガイドラインに従った食生活を送っている人は非常に少なく、ほとんどの人は十分な果物・野菜・全粒穀物を食べていません。
全粒穀物とは、果皮や胚芽などを含むぬかを除去していない穀物や、それを用いた製品全般を指す言葉であり、米のぬかが付いたままである玄米も全粒穀物の一種です。つまり、もし白米の代わりに玄米を食べる選択肢があるのであれば、玄米を食べることで不足しがちな全粒穀物を補えるというわけです。

貧しい食生活は世界中の病気や早期死亡の主要な原因であり、喫煙やアルコールよりも影響力が大きいといわれています。食生活における危険因子の上位2つは「過剰な塩分摂取」と「全粒穀物の不足」だそうで、全粒穀物を食べることは年間約2000万人が死亡する心血管疾患のリスクを減らす簡単な方法のひとつだとのこと。
そのため、玄米には白米より多くのヒ素が含まれているとしても、玄米またはその他の全粒穀物を食べないこと自体が、健康上のリスクを高めてしまうというわけです。また、どうしても玄米に不安があるという人は、全粒粉で作られたパンやパスタを食べるなど、別の選択肢を検討することもできます。
ブラウニー氏は、「何を食べるのか選択できる幸運な人は、自分の食生活が国の食事ガイドラインにどれほど合致しているか振り返ってみましょう。すでにいい食生活を送っているのであれば、それは素晴らしいことです。その食生活を続けましょう。そうでない場合は、全粒穀物を少し取り入れたり、塩分摂取量を減らすなどの小さなことから始めてみましょう」とアドバイスしました。
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