チャットコミュニケーションツール「Discord」のゲーム開発者向けキットとなる「Discord Social SDK」が2025年3月17日に発表されました。Discord Social SDKを使うことで、開発者はゲームに基本的なソーシャル機能を統合可能。さらにこのソーシャル機能はDiscordアカウントを持っていないプレイヤーでも利用できます。
Discord Launches SDK to Power Social Infrastructure and Communications for Games
https://discord.com/blog/announcing-discord-social-sdk-to-power-game-comms
Discord Social SDK | Supercharge your in-game social with Discord – YouTube

Discord Social SDKでゲームに追加できる機能は以下の通り。
・Unified Friends List
プレイヤーはゲームをプレイしながらDiscordのフレンドリストにアクセスでき、同時にDiscordアプリ内でもゲーム内のフレンドを確認できます。これにより、プラットフォームの壁を越えた一貫したソーシャル体験が可能になります。
・Deeplink Game Invites
プレイヤーはゲーム内のUnified Friends Listから直接Discordフレンドを招待できます。従来だと、事前に「どのサーバーにいるか」「どうやって参加するか」といった煩雑なコミュニケーションが必要でしたが、Deeplink Game Invitesは招待リンクをクリックするだけで特定のパーティ、ロビー、またはセッションに直接参加できるようになります。この直感的な仕組みによってプレイヤーの維持率とエンゲージメントが向上し、「計画する時間」よりも「プレイする時間」を増やすことができるとDiscordは述べています。
・Rich Presence
Rich PresenceはPC、コンソール、モバイル全てのプラットフォームで利用可能な機能で、プレイヤーのゲームプレイ状況をDiscord上にリアルタイムで表示します。プレイヤーがどのゲームをプレイしているか、どのような活動をしているかといった詳細情報が友達に共有され、プロフィールからワンクリックでゲームに参加できる機能も実装できます。なお、Discordによると、フレンドがゲームをストリーミングした後、28%のユーザーが1時間以内に同じゲームを起動するそうです。
・柔軟なアカウント要件
Discord Social SDKの大きな特長は、Discordアカウントを持たないプレイヤーでも上記の機能を利用できる点です。また、Discordアカウントを持つプレイヤーには、アカウントを連携することで使えるようになる拡張機能を提供することも可能です。
さらに、クローズドベータ版では、PC・コンソール・スマートフォンなど異なるプラットフォーム同士でもコミュニケーションを可能にする機能、ゲーム内のチャットを特定のDiscordチャンネルに直接連携させる機能、Discordの技術を活用したゲーム内ボイスチャットの実装が可能になるとのこと。
Discord Social SDKはプログラミング言語としてC++に対応しており、ゲームエンジンではUnreal EngineとUnityの両方をサポートしています。また、オペレーティングシステムとしてはWindows 11以上とmacOSで利用可能です。
コンソールプラットフォームへの対応も計画されており、PlayStation・Xbox・Nintendo Switch向けのサポートが開発中であるほか、モバイル市場もカバーするべく、iOSとAndroid向けの対応も進められているとのこと。ただし、コンソール版とスマートフォン版の具体的なリリース時期は「近日公開」となっており、正確な日程は記事作成時点だと不明です。
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