2025年2月に一般公開されたGoogleのAIモデルである「Gemini 2.0 Flash」には、3月12日に画像生成機能が開発者向けに試験導入されました。この機能を使い、フォトストックサービスが配信する画像からウォーターマーク(透かし)を削除できることが明らかになっており、問題視されています。
People are using Google’s new AI model to remove watermarks from images | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/03/16/people-are-using-googles-new-ai-model-to-remove-watermarks-from-images/
Gemini 2.0 Flashの画像生成機能は、ネイティブに画像コンテンツを生成・編集することができます。具体的には、テキスト入力だけでソファの生地の色を変更したり、棚やキッチンのデザインを変更したりすることが可能です。
さらに、画像を入力して「この服を着せて」と指示するだけで、ベースとなる写真のモデルに入力した写真の衣服を着せることも可能です。
Alright, Google really killed it here.
You can easily swap your garment just by uploading the pieces to Gemini Flash 2.0 and telling it what to do. pic.twitter.com/pNPBkIdRqy
— Halim Alrasihi (@HalimAlrasihi) March 14, 2025
Gemini 2.0 Flashの画像生成機能は非常に強力ということで大きな話題を呼んでいたのですが、画像に含まれるウォーターマークも削除できてしまうことが明らかになっており、ソーシャルメディア上で話題を呼んでいます。
Google検索やGleanなどの検索系サービスの設立に携わってきたDeedy氏は、「Gemini 2.0 Flashは画像内のウォーターマークを削除するのに非常に優れています」と指摘。大量のウォーターマークがきれいに削除されています。
Gemini 2.0 Flashはウォーターマークを削除するだけでなく、ウォーターマークの削除によって生じた隙間をきれいに埋めてくれるそうです。他のAIツールでもウォーターマークの削除が可能ですが、Gemini 2.0 Flashは隙間を埋めるという面で非常に優れているとのこと。
Gemini 2.0 Flash, available in Google’s AI studio, is amazing at editing images with simple text prompts.
It also can remove watermarks from images (and puts its own subtle watermark in instead 🤣) pic.twitter.com/ZnHTQJsT1Z
— Tanay Jaipuria (@tanayj) March 16, 2025
Gemini 2.0 Flashの画像生成機能は、記事作成時点では「実験的」かつ「本番環境では使用不可」とされており、AI StudioなどのGoogleの開発者向けツールでのみ使用できます。ただし、このモデルはウォーターマークを完全に除去できるわけではありません。Gemini 2.0 Flashは半透明のウォーターマークや、画像の大部分を覆うウォーターマークには対応していないそうです。
AnthropicのClaude 3.7 SonnetやOpenAIのGPT-4oといったモデルはウォーターマークの削除を明確に拒否しており、Anthropicは「非倫理的で、違法となる可能性がある」と言及しています。
なお、例外を除き所有者の同意なしでウォーターマークを削除することはアメリカの著作権法の下では違法とみなされます。
Gemini 2.0 Flashの画像生成機能がウォーターマークの削除に秀でていると投稿したRedditのスレッドでは、「訴訟を避けるためにGeminiの大幅なナーフ(弱体化)がやってくるでしょう」や「人間がPhotoshopのクローンツールで1時間かけて行う作業を、AIはわずか数秒で実行します」といったコメントが寄せられていました。
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