原子力発電能力を2050年までに3倍にするという誓約にAmazon・Google・Metaが署名、MicrosoftとAppleは署名せず立場の差が浮き彫りに – GIGAZINE


メモ


原子力発電を推進する世界原子力協会が、2050年までに世界の原子力発電容量を少なくとも3倍にするという目標を支持する誓約書に複数の企業が署名したと発表しました。Amazon、Google、Metaなどが署名しましたが、AppleやMicrosoftは署名しませんでした。

Major Global Companies Pledge Historic Support to Triple Nuclear Energy – World Nuclear Association
https://world-nuclear.org/news-and-media/press-statements/major-global-companies-pledge-historic-support-to-triple-nuclear-energy

Amazon, Google and Meta support tripling of nuclear capacity by 2050
https://www.ft.com/content/ac89bb72-9d9f-4510-82a5-9240afe79695

Amazon, Meta, Google want to triple nuclear power by 2050 • The Register
https://www.theregister.com/2025/03/12/push_for_nuclear/

Amazon, Google, and Meta sign pledge to triple nuclear power by 2050
https://nypost.com/2025/03/12/business/amazon-google-and-meta-sign-pledge-to-triple-nuclear-power-by-2050/

かねてから世界原子力協会は原子力発電の規模を拡大するという取り組みを主導しており、これまでに140社以上の原子力関連企業と14社の金融機関が支持を表明してきました。今回は原子力を必要とする企業14社が新たに署名し、各社が「原子力エネルギーは電力需要の高まりと脱炭素社会への対応に応えることができる」といった声明を寄せています。

この取り組みに法的拘束力はありませんが、今回の署名は原子力分野以外の企業が原子力発電の規模拡大を公に支持した初めてのケースだと言われています。

近年では、AIの需要の高まりによりデータセンターの需要が増加し、AIを開発する企業が電力不足に苦しんでいます。

AIの需要増加によりデータセンターの消費電力が爆増してAI開発のボトルネックになっている – GIGAZINE


こうした不足を補うために原子力発電への投資が加速しています。Googleは原子力発電企業のKairos Powerから原子力エネルギーを得るという契約を結んでおり、Amazonも小型原子炉を開発するプロジェクトを支援する3つの契約を結ぶなど、テクノロジー企業を筆頭にエネルギー源を確保する動きが見られています。

Amazonが次世代原子炉の「小型モジュール炉」開発プロジェクトに総額750億円超を投資することを発表 – GIGAZINE


今回署名した企業は、Allseas、Amazon、Bureau Veritas、Carbon3Energy、Clean Energy Buyers Alliance、Core Power、Dow、Fly Green Alliance、Google、Lloyd’s Register、Meta、Occidental、OSGE、Siemens Energyです。

Googleのクリーンエネルギー・脱炭素技術担当責任者、ルシア・ティアン氏は「原子力発電は信頼性が高く、安全で持続可能なエネルギーの未来を築く上で極めて重要です。24時間体制のクリーンエネルギーを提供できる先進的な原子力技術の商業化を加速させるために、引き続き取り組んでいきます」と述べました。

Amazon Web Servicesのエネルギー・水部門責任者であるブランドン・オイヤー氏は「原子力開発を加速させることは、わが国の安全保障を強化し、将来のエネルギー需要を満たし、気候変動に対処する上で極めて重要です。Amazonは、世界原子力協会の誓約を支持したことを誇りに思います」と述べています。

このように、今回署名した大手IT企業らはいずれも電力不足だけでなく、化石燃料から脱却するという世界の潮流を見据えた発言をしていますが、それだけに大量のエネルギーを使用しつつ炭素削減にも取り組んでいるMicrosoftとAppleが足並みをそろえなかったことが目立つ形になったと、経済紙・Financial Timesは指摘しています。誓約書の最後の項目には、今後の課題として「他の大手エネルギー使用企業にもこの誓約書に加わるよう呼びかける」ことが盛り込まれました。


世界原子力協会は「この誓約は、原子力発電を拡大することで、競争力のある事業運営を行えるようになることを再確認するものです。この誓約により、原子力発電が電化を促進し、信頼性が高く、拡張可能なクリーンエネルギー源であることを強調します」と述べました。

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