ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン134がリリースされました。dialog要素の閉じ方をカスタマイズしたり、Shared Storageにロックが導入されたりしたほか、開発者ツールでサードパーティーCookieの問題を簡単に確認できるようになっています。
Chrome 134 | Release notes | Chrome for Developers
https://developer.chrome.com/release-notes/134
New in Chrome 134 | Blog | Chrome for Developers
https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-134
◆dialog要素の閉じ方が指定可能に
アラートやサブウィンドウを表示できるdialog要素に「closedby」属性が追加されました。closedby属性を「closerequest」に設定すると、「Esc」キーやAndroidの「戻る」ボタンなどのトリガーによりdialogが閉じられるようになります。
また、closedby属性に「any」と設定する事で上記のトリガーに加えて「dialogの外側をクリックした時に自動で閉じる」というポップオーバーのような動作が可能になったとのこと。閉じる動作を自動化したくない場合は「none」と設定すればOK。
◆CSSハイライトの設定が継承へ
CSSにおいて「::selection」疑似要素の設定を行う事で、文字を選択した際の見た目をカスタマイズすることが可能です。従来は「::selection」の設定が継承されず、子要素の選択時に親要素の「::selection」設定が適用されないという問題がありました。例えば、以下の例ではemタグで囲まれた「emphasized」を選択しているもののCSSの設定が反映されていません。
Chrome 134からは子要素にも「::selection」の設定が継承され、より自然な動作を行うようになっています。
CSSハイライトの継承はChrome 131で一度導入されましたが、互換性の問題が発覚してロールアウトが中止されていました。問題が修正されたため、Chrome 134で再び導入されました。
◆Shared StorageでWeb Locks APIが利用可能に
ブラウザのデータ保存機能のうち、Shared Storageはサイト間で同じデータにアクセスできるのが特徴です。仕組み上、複数のサイトから同時に書き込みや読み取りを行った際にデータが競合する場合がありました。
Chrome 134ではShared StorageにWeb Locks APIが導入され、排他的に制御を行うことが可能になったほか、複数の変更をアトミックに行えるバッチ処理の仕組みも導入されています。
◆開発者ツールでサードパーティーCookieの問題を確認できるように
GoogleはサードパーティーCookieの廃止予定を撤回しているものの、ユーザーがサードパーティーCookieをブロックする設定にしている場合などにサイトが正しく動作するのかを検証できる仕組みが開発者ツールに導入されました。開発者ツールの「プライバシーとセキュリティ」パネルの「コントロール」タブで一時的にサードパーティーCookieを制限できるようになっています。
「サードパーティCookie」タブではサイト内で見つかったサードパーティーCookieに関する問題が表示されます。
◆その他のアップデート
・PaintCanvasに「imageSmoothingQuality」属性が追加される
画像を拡大縮小する際の品質とパフォーマンスのバランスを調整できるようになりました。
また、Google Chrome 134には14件のセキュリティバグフィックスが含まれています。
次期安定版の「Google Chrome 135」は現地時間の2025年4月1日にリリース予定です。
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