AIが顕微鏡やロボットアームなどの物理機器を操作するための共通規格「Model Hardware Standard(MHS)」の研究プレビューをAnthropicが発表しました。MHSを使うことで、メーカーや種類が異なる機器をAIが共通の方法で扱いやすくなるとされています。
Previewing the Model Hardware Standard \ Anthropic
https://www.anthropic.com/news/model-hardware-standard-research-preview
Model Hardware Standard
https://www.modelhardwarestandard.com/
Model Hardware Standard: AI operating physical equipment – YouTube

研究室や工場の自動化そのものは以前から行われているものの、顕微鏡、ロボットアーム、測定装置などはメーカーごとに操作方法やプログラミング用のインターフェースが異なるため、複数の装置を組み合わせるには専門家が専用プログラムを作る必要があり、自動化の大きな壁となっていました。Anthropicによると機器のセットアップと統合に数週間から数カ月かかる場合もあると述べられており、実験内容が頻繁に変わる研究現場では自動化の負担が特に大きくなっていたとのこと。
今回発表されたMHSは、機器ごとの違いを吸収してAIが共通の方法で装置を扱えるようにする仕組みです。例えば「温度を読み取る」「設定値を書き換える」「ロボットアームを動かす」といった操作を統一された形式で扱えるため、機器ごとに専用の連携プログラムを用意する手間を減らせます。
さらにMHSでは「機器の特徴や操作できる範囲」や「安全上の制限」などをAIに伝えることが可能です。AIが装置の説明を理解した上で操作できるようにすることで、研究者が細かな制御プログラムを書く作業を減らす狙いがあるとのこと。
以下の画像はClaudeがMHSを介して複数の研究機器を操作する流れを示したもの。AIに実験内容を伝えると、MHSを通じて液体処理装置やロボットアーム、測定装置などを連携させられる仕組みになっています。
Anthropicは研究機関や企業と協力してMHSの実証実験も行っています。実証実験では研究用顕微鏡の調整や実験装置の自動化、量子コンピューターで使われるレーザーの復旧作業などにClaudeを利用しており、人間が手作業で行っていた調整を短時間で処理できた例も報告されています。
一方で、実験中に発生した泡が原因の物理的な問題をClaudeが十分に判断できず、人間の専門家による助言が必要になったケースが報告されるなど、AIが現実世界の状態を正しく理解できない場合もある模様。
MHSは記事作成時点で研究プレビューとして提供されており、Anthropicが研究機関や機器メーカーと安全性の検証を進めている段階です。Anthropicは今後、MHSをオープンソース化して幅広いAIや機器で利用できるようにする予定だと述べています。
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