Appleが、中国政府の支援を受ける半導体メーカー・ChangXin Memory Technologies(CXMT)のDRAMチップを中国市場向け端末に採用できるかどうかテストしていると経済メディアのFinancial Timesが報じました。CXMTはDRAMの世界第4位メーカーに成長しており、Appleはアメリカ政府に対して同社製品の利用拡大を認めるよう働きかけているとされています。
Apple interest thrusts China’s CXMT into memory chip spotlight
https://www.ft.com/content/f4ac5c92-03be-4499-b16a-017a7e9ee228
Apple Begins Testing Controversial Chinese Memory Chips – MacRumors
https://www.macrumors.com/2026/07/08/apple-begins-testing-controversial-chinese-memory/
アメリカ政府は複数の中国企業を「中国軍事企業リスト」と呼ばれるブラックリストに登録し、これらの企業が国防総省と取引することを禁止しています。Appleはこのブラックリストに登録されている企業との取引をトランプ政権に求めることで、世界的なメモリ供給不足に対処しようとしていることが報じられていました。
Appleは高騰するメモリ価格に対処するためアメリカ政府がブラックリストに載せている中国企業のCXMTからメモリを購入する許可をトランプ政権に求めている – GIGAZINE
Financial Timesによると、Appleは中国で販売するデバイス向けにCXMTのDRAMチップの検証をすでに始めているとのこと。量産採用の前段階で行われる技術的な認定作業に当たるとみられますが、AppleがCXMT製チップの商用利用を決定したわけではありません。
Apple関連のニュースサイト・MacRumorsによると、Appleが前週時点でCXMTやYangtze Memory Technologies(YMTC)とメモリ調達について協議していたものの、まだ契約はまとまっていなかったとのこと。今回の報道では少なくともCXMTについては具体的な認定テストに進んだことが示されており、政治的な承認が得られた場合にすぐ供給網へ組み込めるよう準備している可能性があります。
CXMTはSamsung・SK Hynix・Micronに次ぐ世界第4位のDRAMメーカーです。半導体業界の調査企業であるSemiAnalysisによれば、CXMTは2025年に世界のDRAMウエハー生産能力の約11%を占めており、中国の新しい生産ラインが稼働することで、2028年には約15%まで上昇すると見込まれています。
Appleにとって、CXMTを新たなDRAM供給元として認定できれば、SamsungやSK Hynix、Micronとの価格交渉で有利になる可能性があります。MacRumorsは、AIサーバー需要がコンシューマー向け機器からDRAMの生産能力を奪ったことで、2026年初めに標準DRAMの契約価格が推定55%~60%上昇したと指摘しています。
ただし、CXMTの利用は政治的にはかなりセンシティブです。Appleは2022年にもYMTCなど中国のメモリメーカーの利用を検討しましたが、アメリカの政策担当者から安全保障上の懸念を指摘され、計画は棚上げされた経緯があります。
CXMTとYMTCはいずれもアメリカ国防総省が中国軍との関係を指摘する「1260H」リストに掲載されています。MacRumorsによるとこのリストは主に国防総省との契約を制限するもので、通常の商業購入を直ちに禁じるものではありませんが、YMTCはアメリカ商務省のエンティティリストにも掲載されており、アメリカ企業が取引するには輸出許可が必要になります。Appleは、CXMTが今後YMTCと同じようにエンティティリストへ追加されないという保証を政府に求めている模様です。
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