民主社会主義者を自認して2020年のアメリカ大統領選の予備選挙にも出馬したバーニー・サンダース上院議員が、人間の集合知の上に作られたAIが生み出す利益は国民のために使われるべきだとして、OpenAIやAnthropicといったAI企業の株式の50%を所有する政府系ファンドの設立を提唱しました。
I’ll be introducing the American AI Sovereign Wealth Fund Act, a bill giving the public a direct stake to determine AI’s future.
When a public resource generates wealth, the public should share in that wealth. https://t.co/pqlQyEKDKT
— Sen. Bernie Sanders (@SenSanders) June 1, 2026
Sanders Proposes Sovereign Wealth Fund to Harness AI Profits for Public Good | Truthout
https://truthout.org/articles/sanders-proposes-sovereign-wealth-fund-to-harness-ai-profits-for-public-good/
Sanders proposes having government take half of Anthropic and OpenAI
https://www.washingtonexaminer.com/policy/finance-and-economy/4589296/bernie-sanders-proposes-government-take-half-anthropic-openai/
Bernie Sanders Proposes To Seize Half-Ownership of Large AI Firms
https://freebeacon.com/democrats/bernie-sanders-proposes-to-seize-half-ownership-of-large-ai-firms/
サンダース氏は格差是正やユニバーサルヘルスケア(国民皆保険制度)の実現、教育支援制度の充実、LGBTQや少数民族の権利保護などを訴えてきた人物であり、ミレニアル世代やZ世代を中心に根強い支持を集めています。
そんなサンダース氏は2026年6月1日、ニューヨーク・タイムズに発表した論説の中で、AIの恩恵をすべてのアメリカ国民が受けられるようにする「American AI Sovereign Wealth Fund Act(アメリカンAIソブリン・ウェルス・ファンド法案)」を提案しました。
アメリカンAIソブリン・ウェルス・ファンド法案は、アメリカ政府がOpenAIやAnthropic、その他のAI企業の「株式の50%」を一律的な一時課税として取得し、新たなファンドを設立するというものです。
AI企業の株式を所有する政府系ファンドという構想について、サンダース氏は「原則は単純です。公共資源が富を生み出すなら、国民はその富を分かち合うべきです。AIは石油よりもはるかに価値のある公共資源、つまり人類の蓄積された知識・創造性・労働力の上に構築されています。AIの未来と人類の運命は、シリコンバレーの密室で決定されるべきではありません。権力と利益の最大化を追求する億万長者によって左右されるべきでもありません。労働者・親・教師・芸術家・科学者・地域社会・アメリカ国民によって決定されるべきです」と主張しています。
政府所有のファンドは国民がAIの未来を決定する上で直接的な役割を担うとともに、AIによって生み出される可能性のある数兆ドル(数百兆円)が「世界で最も裕福な人々」をさらに裕福にするのではなく、アメリカ国民の生活を向上させるために使われることを保証するとのこと。
サンダース氏は「この基金によって生み出される数十億ドル(数千億円)、あるいは数兆ドルもの資金は、アメリカ国民への直接的な給付金として活用されるでしょう。そして、基金が生み出す富が増えるにつれてその収益は医療・教育・住居などを含め、我が国のすべての人々がまともで尊厳のある生活を送れるようにするために使われるでしょう」と説明しました。
政府所有のファンドと聞くと急進的に思えるかもしれませんが、すでに一部の学者や大手AI企業が自ら「AI関連の利益を広く分配するための公的ファンド」の構想を打ち出しているほか、ノルウェーやアラスカ州には政府系ファンドが存在します。また、ドナルド・トランプ大統領も重要産業への大規模投資を行う政府系ファンドの創設を望んでおり、政府系ファンドの設立は斬新なアイデアではないとサンダース氏は説明しています。
サンダース氏は「政府が企業、特にAIが事業の一部に過ぎない企業に大きな出資を行うことは、複雑な問題であることは承知しています。具体的な支出の優先順位や実施方法などのより詳細な内容は、今後数週間以内に発表する法案に盛り込まれる予定です」と述べました。
なお、保守系ニュースサイトのThe Washington Free Beaconはサンダース氏の提案について、大学や財団がいかにして左派思想を政治システムに浸透させているかを示す好例だと主張。サンダース氏はAIの悪い面にばかり目を向けており、AIがもたらすメリットには目を向けていないようだと批判しました。
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