「現存する世界最古の活版印刷機」がベルギーの博物館に展示されている – GIGAZINE


メモ


活版印刷は凸型の活字を並べた組版を使って印刷する技術であり、情報伝達の速度を飛躍的に向上させることに役立ちました。ベルギー第2の都市・アントウェルペン(アントワープ)にあるプランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体には、現存する世界最古の活版印刷機2台が展示されています。

The world’s two oldest printing presses | Museum Plantin-Moretus
https://museumplantinmoretus.be/en/worlds-two-oldest-printing-presses


活版印刷は中国で誕生し、11世紀にはすでに活字を並べた組版による印刷が行われていたとのこと。その後、13世紀には朝鮮半島や日本にも活版印刷が伝来しましたが、漢字文化圏では文字種が多すぎることや崩し字に向いていなかったことなどもあり、1枚の板で版を作る木版印刷の方が広く普及する結果となりました。

一方、ヨーロッパでは1445年頃にマインツ(ドイツ)のヨハネス・グーテンベルクが初めて活版印刷を行ったとされ、アルファベットの文字種が少ないこともあって瞬く間に周辺地域へと広がりました。

アントウェルペンにあるプランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体は、16世紀ベルギーの出版業者であるクリストフ・プランタンの工房を起源に持っています。当時のアントウェルペンはヴェネツィアやパリなどとともに出版業の一大拠点となっており、プランタンは生涯で1500点を超える出版物を手がけたとのこと。

プランタンが生きていた1575年頃の工房では少なくとも16台の活版印刷機が稼働しており、56人の従業員が雇用されていたとのことで、当時としては世界最大規模の印刷工房でした。

by LUCID

これらの印刷機は両面印刷で1日1250枚もの印刷物を生産したとのことで、印刷工の1日の平均労働時間は14時間ほどでした。しかし、印刷工は生産量に受け取って報酬を受け取っていたため、長時間労働をする意欲があったとされています。

記事作成時点でも7台の活版印刷機が保存されており、そのうち5台はいまだに稼働可能な状態です。1600年頃に製作された2台の印刷機は休止状態ですが、これらは現存する世界最古の印刷機となっています。

by Ans Brys

プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体にある最古の印刷機については、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも話題になっています。

The two oldest printing presses | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=48175748

2023年にプランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体を訪れたというユーザーによると、博物館では実際に印刷機を操作して、組版にインクを付けてクランクを回し、作成した印刷物を持ち帰ることもできるとのことです。

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