カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事はAIによる雇用への影響に備えるため、労働者、中小企業、地域社会を支援する政策づくりを州機関に指示する行政命令に署名しました。AIが労働市場にもたらす変化を早期に把握し、失業や職種転換に対応する仕組みを整えることが狙いです。
Governor Newsom signs first-of-its-kind executive order to prepare workers and businesses for potential AI disruption | Governor of California
https://www.gov.ca.gov/2026/05/21/governor-newsom-signs-first-of-its-kind-executive-order-to-prepare-workers-and-businesses-for-potential-ai-disruption/
California governor addresses AI-related job losses
https://thehill.com/policy/technology/5889582-california-ai-job-losses/
Newsom executive order directs California to prepare for AI job disruption – CBS San Francisco
https://www.cbsnews.com/sanfrancisco/news/gavin-newsom-california-ai-job-disruption-executive-order/
この行政命令では、AIの普及によって影響を受ける可能性のある業界や労働者を把握するため、州機関、労働専門家、経済学者、大学、業界関係者が協力してデータ収集や政策提案を進めることが求められています。失業手当や転職支援、職業訓練、一時的な雇用支援、退職金や株式などを含む補償のあり方も検討対象に含まれます。
カリフォルニア州はAIによる労働市場への影響を把握するための新たな報告書や、業種別の影響を可視化するダッシュボードの整備も進める方針です。また、企業の採用や給与、技術導入が雇用判断に与える影響を州の月次雇用報告に反映し、潜在的なレイオフや雇用変化を早期に察知できる体制を作るとしています。
特に注目されるのはカリフォルニア州の労働者調整・再訓練通知(WARN)法の見直しです。この法律は大規模な人員削減や事業所閉鎖を事前に通知させるためのものですが、今回の命令で180日以内に改正や更新に関する提言をまとめ、AI時代の早期警戒システムとしてより機能するようにすることが求められています。
ニューサム知事は、カリフォルニア州は「未来が起きるのをただ見ているだけではなかった」と述べ、AIによる変化に受け身で対応するのではなく、働き方や統治、将来への備えそのものを再構築する必要があると強調しました。知事室は今回の命令を「AIによって生み出される富の恩恵を大手テクノロジー企業だけでなく州民にも広げる」ための政策づくりと位置付けています。
by Gavin Newsom
カリフォルニア州は世界有数のAI企業が集まる地域であり、州政府によると世界の上位50社の非公開AI企業のうち33社が同州に拠点を置いています。こうした産業集積を背景に、同州はAIの安全性、透明性、プライバシー保護、消費者保護などの分野でも先行的な規制や政策を進めてきました。
一方で、AIが実際にどれほど雇用を奪うのかについては見方が分かれています。海外ニュースメディアのThe Hillは「AIによる労働市場の混乱が広く予想されている一方で、大規模な影響を示す経済データはまだ限られており、業界幹部の間でも悲観論と楽観論が混在している」と伝えています。
今回の命令はAIを単に規制するだけでなく、労働者が生産性向上の利益を共有できる仕組みを検討するというのもポイント。カリフォルニア州は従業員所有型企業の拡大、労使交渉の活用、高等教育でのAI対応訓練、中小企業向けのAI活用支援などを通じ、AI時代の雇用不安と経済成長の両方に対応しようとしています。
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