「働くネコ」たちを写真とエピソードで記録した「Bodega Cats of New York」プロジェクト


ニューヨーク市内に1万軒以上あるとされる小型食料品店「ボデガ」では、店内で暮らすネコが商品棚やカウンターにいることがあります。こうしたボデガ猫たちを写真とエピソードで記録しているプロジェクトが「Bodega Cats of New York」です。

Bodega Cats of New York
https://bodegacatsofnewyork.com/


Bodegas: The life blood of New York City neighborhoods – CBS News
https://www.cbsnews.com/amp/news/bodegas-the-life-blood-of-new-york-city-neighborhoods/

Bodega cats aren’t just cute; some in N.Y. also consider them working animals : NPR
https://www.npr.org/2025/04/24/nx-s1-5339780/bodega-cats

New York seeks rights for beloved but illegal ‘bodega cats’ – Digital Journal
https://www.digitaljournal.com/business/new-york-seeks-rights-for-beloved-but-illegal-bodega-cats/article

The cat’s meow: New NYC bill would protect bodega cats – NBC New York
https://www.nbcnewyork.com/news/local/proposed-legislation-protect-bodega-cats/6490891/

「Bodega Cats of New York」のトップページを下にスクロールすると、「Cats New Yorkers know by name」という見出しの下に、Oreo、Klara、Nancy、Ashley、Luna、Tiger/Juliaなどのネコがカード形式で並んでいます。各カードにはネコの名前や住所、掲載年が表示されており、カードをクリックするとそれぞれのネコのストーリーが書かれたページに移動できます。


Luna
フォートグリーンのボデガで暮らす白黒のネコ「Luna」はレジの上を定位置にしており、眠るのではなく座って店の入口を見張るようにしていたとのこと。朝になると常連客は店員より先にLunaへあいさつし、子どもは親に「Lunaにあいさつしてもいいか」と尋ねるそうです。


Lunaは芸をするわけでも、SNSで一気に話題になったわけでもありません。ただ同じ場所に座り続け、近所の人々がそこへやって来るようになりました。「Bodega Cats of New York」プロジェクトを立ち上げたDan Rimada氏は、「従業員が変わり、商品が入れ替わり、店のひさしが色あせても、Lunaだけは変わらずそこにいたことに心を引かれた」と説明しています。

Lunaがレジの上に座って客を見ていた姿は、Rimada氏が他のボデガ猫に目を向けるきっかけにもなりました。そのため、公式サイトではLunaが「このプロジェクトが存在する理由」と説明されています。


Sofia
ウィリアムズバーグのボデガで暮らすネコ「Sofia」は、人懐っこく遊び好きなネコです。客の中にはSofiaと遊ぶために通勤途中で立ち寄る人もいるとのこと。


Sofiaは、しわくちゃになったお気に入りのボールを店の中でくわえて運び、自分が遊んでほしい相手の足元に落とすそうです。相手が気づかない場合は音が出るように落とし直します。

多くのボデガ猫は座って周囲を眺め、触れ合うかどうかを自分のペースで決めますが、Sofiaは自分から遊びを始めるタイプ。誰と遊ぶかもSofiaが決めるため、選ばれた人はボールを投げるしかありません。


Tiger/Julia
もともと「Bodega Cats of New York」には「ウィリアムズバーグのボデガにTigerというネコがいる」という情報が寄せられていました。しかし、撮影中に店を訪れた常連客の女性は「Juliaが有名になる」と話したとのこと。店側が「Tiger」と呼んでいたネコを、常連客は「Julia」と呼んでいたわけです。

そんなTiger/Juliaは、店の奥に自分用の場所を持つ7歳のネコ。オーナーのKhalil氏は、レジの後ろで過ごす長い1日にTiger/Juliaが付き添ってくれることをありがたく思っているとのことです。「客がTiger/Juliaを見つけた時にしゃがみ込んであいさつしてくれると、それだけでうれしい」とKhalil氏は語っています。


公式サイトによると、ボデガ猫が人によって別の名前で呼ばれることは珍しくありません。店の所有者が変わった時に前の名前が分からなくなることもあれば、客が呼び始めた名前がそのまま定着することもあり、配達員だけが使う別の名前がある場合もあるそうです。


店員、配達員、毎日立ち寄る常連客がそれぞれ違う名前で呼び、いずれもそのネコの名前として扱われます。Tiger/Juliaは、店を訪れる人々からそれぞれ別の名前で知られているボデガ猫らしい存在です。


ボデガ猫は、単に店で飼われているペットというだけでなく、ネズミを追い払ったり、客を店に引きつけたりする存在にもなっています。一方で、食品を扱う店にネコがいることは、ニューヨーク市では厳密には違法とされています。

Rimada氏は、店主が「ネコを置いていることで罰金を受ける」か「ネズミ問題で罰金を受ける」かという選択を迫られることがあると説明しています。

こうした状況を受けて、ボデガ猫を合法化・保護しようとする動きも出ています。AFP通信によると、Rimada氏は2025年にボデガ猫の合法化を求める嘆願書をまとめ、約1万4000人分の署名を集めました。この署名を受けてニューヨーク市議会議員のKeith Powers氏は、ボデガ猫を飼う店主を罰則から免除する法案を提案したとのことです。

また、NBC New Yorkによると、2026年4月にはニューヨーク市議会議員のFrank Morano氏が食品小売店内でのネコ禁止を見直す法案「Bodega Cat Bill」を提出しています。

記事作成時点で「Bodega Cats of New York」プロジェクトは写真やストーリーの掲載だけでなく、グッズ販売やボデガ猫を巡るツアー、書籍化にも広がっており、書籍版「Bodega Cats of New York」は2026年10月にQuarto Publishingから刊行予定です。

この記事のタイトルとURLをコピーする


ソース元はコチラ

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事