家庭のエネルギーコストがインフレ率を上回るペースで上昇していると問題視されているアメリカで、ワシントンD.C.に本拠を置くシンクタンクのピュー・リサーチ・センターが2026年5月6日にエネルギーコストに関する調査結果を発表しました。これによると、アメリカの成人のほとんどがエネルギーコスト上昇の理由を「電力会社が利益を上げようとしているから」だと回答したほか、AIデータセンターのブームに伴う電力需要の増加も主な理由と考えられています。
Many Americans hold utility companies responsible for rising home energy bills | Pew Research Center
https://www.pewresearch.org/short-reads/2026/05/05/many-americans-hold-utility-companies-responsible-for-their-rising-home-energy-bills/
ピュー・リサーチ・センターは2026年3月16日から22日にかけて、アメリカに住む成人3524人を対象にアンケートを実施しました。回答者のうち無作為に選ばれた半数には住宅エネルギーコストの上昇について、残りの半数には住宅保険料の上昇について質問しています。
アンケートの結果、国勢調査で指定されている国内の北東部、中西部、南部、西部のそれぞれにおいて、成人の少なくとも70%が「ここ数年で自宅のエネルギー価格が大幅に、あるいは多少上昇した」と回答しました。以下のグラフに明るい青で示されているのが「大幅に上昇した」と回答した割合で、暗い青で示されているのが「少し上がった」と回答した割合。特に北東部の住民は、「大幅に上昇した」と回答した割合が56%と半数を超えています。
実際にアメリカのエネルギー情報局(EIA)のデータでは、2021年から2025年にかけて家庭用電気料金の上昇率が最も高かった15州のうち、北東部はニューヨーク州など7州が含まれていました。また北東部のマサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州は、同時期に住宅用天然ガス料金の上昇率が最も高かった15州にも含まれており、エネルギーコスト上昇の影響を大きく受けていることが分かります。
EIAによると、アメリカ全体では2021年から2025年にかけて、家庭用電気料金は27%、家庭用天然ガス料金は26%上昇したとのこと。ほとんどの州では、この期間に家庭用電気料金と天然ガス料金が15%以上も高騰しています。
また、以下は「ここ数年で家庭のエネルギーコストが上昇した」と回答した人に、その主な理由について質問した結果をまとめたグラフ。以下の明るい青で示されているのが「主な理由」と答えた割合、暗い青が「一部の理由」と答えた割合、黄土色が「これは理由ではない」、グレーが「分からない」と答えた割合です。グラフの一番上が「電力会社がより多くの利益を上げようとしているから」というもので、エネルギーコスト上昇の主な理由と回答した割合が64%と最も多くなっていました。「データセンターが多くの電力を消費するから」を主な理由と回答したのが43%、続いて「電力網の更新と拡張にかかる費用の影響」を主な理由としたのが40%です。一方で、政府の規制や異常気象、家庭の電力使用は比較的主要な原因と考えられていませんでした。
ピュー・リサーチ・センターによると、家庭のエネルギーコストが「大幅に上昇した」と回答した人は、コストが「少し上昇した」と回答した人よりも、具体的な理由を指摘する割合が多くなったそうです。例えば、電力会社がより多くの利益を上げようとしていることが主な理由だと答えている割合は、コストが大幅に上昇したと回答した人の場合は74%であるのに対し、コストが少し上昇したと回答した人では52%と差がありました。
具体的なアンケートの回答データは、以下のPDFファイルから見ることができます。
2026 PEW RESEARCH CENTER’S AMERICAN TRENDS PANEL Wave 189: Energy issues March 16-22, 2026
(PDFファイル)https://www.pewresearch.org/wp-content/uploads/sites/20/2026/05/SR_26.05.01_home-insurance-energy_W189_topline_FINAL.pdf
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