「企業が従業員を解雇してAIに置き換えることは認められない」との判決を中国の裁判所が下す – GIGAZINE


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中国の中級人民法院が、労働者を解雇してAIに置き換えた企業に対し、解雇は違法であるとの判決を下しました。労働者側の弁護士は「企業はAIによる効率向上の恩恵を受けることができる一方で、それに見合った社会的責任も負わなければならない」との見解を示しました。

Chinese court defends labor rights in new AI-replacement case | english.scio.gov.cn
http://english.scio.gov.cn/m/chinavoices/2026-04/30/content_118471189.html

“AI替岗”能否成辞退理由——杭州中院这样判-新华网
http://www.zj.xinhuanet.com/20260430/1f6a0708d647452fbe9a9f94a99f7421/c.html

司法判例为AI替代划红线,莫让劳动者独自承担“技术革命”风险
https://www.stcn.com/article/detail/3870681.html

2022年、原告の男性はAIの品質保証スーパーアドバイザーとして杭州のテクノロジー企業に入社し、ユーザーの問い合わせと大規模言語モデルを対応付けること、違法またはプライバシー侵害となる内容をフィルタリングすることなど、AIモデルの出力の正確性を担保する業務に携わるようになりました。この仕事で男性は月給2万5000元(約57万5000円)を得ていました。

しかしその後、男性の仕事はAIによって代替され、企業は男性を月給1万5000元(約34万5000円)の下位職へ異動させようとしました。男性がこれを拒否すると、企業は組織再編と人員削減を理由におよそ31万元(約713万9000円)の補償金を与えた上で男性を解雇しました。


男性はこの金額に異議を唱え、仲裁委員会を通じてより良い補償を求めました。仲裁委員会は解雇を違法と判断し、追加補償を求める男性の主張を支持しました。

仲裁結果に不満を持った企業は、2025年8月に杭州の区人民法院に提訴し、その後杭州中級人民法院に控訴しました。

本件の争点は、AIによる職務代替が中国の労働法において契約解除の理由となり得る「客観的状況の重大な変化」に該当するかどうかでしたが、中級人民法院は企業が挙げた解雇理由はそのような「重大な変化」には当たらないと判断しました。通常この概念は、企業の移転や合併といった重大な出来事を指すためです。

さらに、契約解除前に当事者が公正に交渉し、意思疎通を図ったかどうかも企業による契約解除が不当解雇に当たるかどうかを判断する上で重要な要素となりますが、今回の件では企業が提示した代替職は大幅な賃下げを伴うものであり、合理的な配置転換案とは言えないと判断されました。

これにより中級人民法院は区人民法院の判決を支持し、企業に賠償金の支払いを命じました。


原告側弁護士は「AIによる置き換えは自動的に労働契約の終了を正当化するものではありません」と伝えています。

中国ではAIの導入が急速に進んでおり、不当なAIへの置き換えに対する懸念を引き起こしています。中国社会科学院の研究者であるWang Tianyu氏は「技術の進歩は不可逆的かもしれませんが、法的枠組みの外に存在することはできません」と述べ、労働者の尊厳と権利を守るためには、先を見据えた制度設計が必要であると強調しました。

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