近年は採用面接を人間ではなくAIが行う「AI面接官」が実用化されており、実際にいくつかの企業は採用現場で導入を勧めています。テクノロジー系メディアのThe VergeでAIレポーターを務めるハイデン・フィールド氏が、実際にAI面接官による採用面接を受けてみた様子について動画で報告しました。
An AI bot interviewed me for a job. It sucked. – YouTube

I was interviewed by an AI bot for a job | The Verge
https://www.theverge.com/featured-video/892850/i-was-interviewed-by-an-ai-bot-for-a-job
PC画面の中で、「あなたはどのような挑戦に直面し、どうやって対処しましたか?」と尋ねる面接官の女性。
PC画面のこちら側にいるフィールド氏は、「2つの質問があるので、まずは最初の質問から始めさせてください。それは……」と言いかけます。
しかし、それにかぶせるように面接官が「わかりました」と返答。
答えを遮られたフィールド氏は戸惑いの表情を浮かべます。その後もたびたび、フィールド氏と面接官の発言がかぶってしまい、ぎこちないやり取りが続きました。
実はこの面接官はAIで生成されたアバターであり、フィールド氏はAI面接官と面接を行っていたというわけです。フィールド氏は、「AIに面接されているのですが、予想していた通り不安定です」と述べています。
フィールド氏は今日の採用現場にAIがあふれており、避けて通ることは困難だと認めています。それでもAIアバターが就職面接を行うことは1段階上のレベルだと指摘。今回フィールド氏は、AI面接官が増えている理由や、それが実際に役に立つのかどうかを調査しました。
AI面接官サービスを提供している企業によると、MetaやNetflix、MasterCardといったそうそうたる企業が採用の初期スクリーニングプロセスの一環として、AI面接官を導入し始めているとのこと。
企業はAI面接官の導入により、一部の応募者だけでなく実質的に応募者全員と何らかの形で対話できる点がメリットだと主張しています。
AI面接官の開発企業・HumanlyでCEOを務めるプレム・クマール氏は、Humanlyの顧客となっている企業のほとんどにおいて、採用候補者の95%は人間と面談できずに終わっていると指摘。
別のAI面接官開発企業・CodeSignalのCEOであるティグレン・スローヤン氏は、面接までたどり着いた5%が本当に面接するに値する上位5%である保証はないと示唆しています。
実際にフィールド氏は、CodeSignal・Humanly・Eightflodの3社が提供するAI面接官との面接を体験してみることにしました。
AI面接は一般的に、AIエージェントと1対1のビデオ通話をしているようなものです。CodeSignalのAIアバターは静止画であり、ビデオ通話相手がビデオをオフにして通話しているような感じ。
Humanlyはほぼ完全に人間を模倣したAIアバターが面接官です。まずフィールド氏は、最も人間らしいアバターを用いるHumanlyとの面接を行いました。
Humanlyの場合、面接時間やアバターの口調は企業側が設定可能とのこと。
フィールド氏は、「HumanlyのAIアバターはかなり良い質問をしてやり取りも良好でしたが、アバター自体の外見は私にとって不気味の谷に近づいていました」とコメント。
受け答えの際はAIアバターから視線をそらさなくては、答えに集中できなかったと率直な感想を述べています。
Humanlyは自社のAIアバターについて、「応募者にたくさん話させる」という点でユニークだと主張。クマール氏は、「アバターへの応答は平均約200語になります。これは人間が電話でスクリーニングを行うよりも長いです」と述べました。
続いてフィールド氏は、CodeSignalのAI面接官と面接を行いました。
AI面接官は、「AIとそれを動かすハードウェアに関する技術的な知識について、どの程度詳しいですか?またその点について、どのように最新情報を入手していますか?」と質問を投げかけます。
フィールド氏は「CodeSignalは面接の質問が最も現実的で、私が試した中で最高のものでした」と評価しています。
CodeSignalでは応募者が「どのように話したか」ではなく、「何を話したか」を重視しているとのことで、スローヤン氏は応募者に対し、回答時の言葉に焦点を当てることを推奨しています。
フィールド氏は「自分の記事を気に入らなかった広報担当者とのやり取り」など、編集者ならではの話題も持ち出しましたが、CodeSignaのAI面接官lは実際の人間と変わらずに会話できたとのこと。
しかし、時にはフィールド氏が明らかに答えを終えたにもかかわらずAI面接官がそれを認識できず、無言の気まずい時間が流れることもありました。
AI面接官の導入について、開発企業は「AI面接は偏見を減らし、より公平な競争環境を提供する」としていますが、それはAIシステム自体に偏見がない場合に限ります。
実際のところ、AIシステムにはさまざまなバイアスが含まれていることが報告されています。それは、AIシステムのトレーニングに使われる人間が作ったコンテンツ自体に、性差別や人種差別などさまざまな偏見が含まれているためです。
さらにフィールド氏は、これらのAIシステムがどのように機能して候補者をランク付けしているのかが、外部からわからないという点も問題だとしています。たとえAIにランク付けプロセスを開示するよう指示したとしても、AIシステムそのものにブラックボックスがあるため、人々はAIの決定を完全に理解することは不可能です。
Eightfoldは、「候補者に知らせずに審査に使用するレポートを作成した」として、2人の原告から訴訟を起こされています。
EightfoldのAI面接官はAIアバターや顔写真を使用しておらず、話すと画面上の球体が脈打つように動くという形式でした。フィールド氏がテストしたAI面接官の中では、最もロボット的で人間らしくない感じがしたそうですが、逆に不気味の谷のような落ち着かない気持ちになることはなかったとのこと。
Eightfoldの最高事業成長責任者であるアンバー・グレワル氏は、面接中はすべての候補者に対し同じ質問と同じ評価スコアが一貫して提供され、回答に応じてスコアがつけられるため偏見に陥りにくいと主張しています。
また、Eightfoldは候補者が同意に基づいて提出した情報と顧客が契約に基づき承認したデータのみを評価に使用しており、ソーシャルメディアなどの情報を収集することはないとのこと。
Eightfoldの偏見を排除する手順に自信を示しました。
HumanlyやCodeSignalもAIシステムの偏見を排除しており、定期的に監査も行っていると説明しています。
フィールド氏は、AI面接官が就職面接の未来であるとしたら不安だと主張。それでもAI面接官と話さざるを得ない場合、「はっきり話すこと」「返答する際はキーワードや指標を使うこと」「年のため最後に1つか2つ質問をすること」が大事だとアドバイスしました。
なお、AI面接官のテストでは、AIが「これは第1ラウンドのスクリーンなので、残念ながらそれらの詳細情報を確実に入手することができません」と述べ、質問に答えてもらえないこともありました。
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