「男性と女性で脳に違いがあるのか?」という疑問は古くから存在しており、近年は脳スキャン画像から性別を90%以上の精度で識別可能なAIモデルが開発されたり、女性の脳は男性よりも生物学的に若いという研究結果が報告されたりしています。ノルウェーのオスロ大学などの研究チームが行った新たな研究では、男性の脳は女性よりも加齢による萎縮が速いという結果が示されました。
人間の脳が加齢と共に萎縮するのは自然なことであり、特にアルツハイマー病で亡くなった人の脳は容積が著しく減少していることがわかっています。また、女性はアルツハイマー病だと診断される可能性が男性の2倍であることが知られていますが、加齢と共に進行する脳の萎縮に性別が与える影響については、よくわかっていないとのこと。
論文の筆頭著者でありオスロ大学の神経学者であるアン・ラヴンダル氏は、「もし女性の脳の方がより衰えが顕著なのであれば、それが女性のアルツハイマー病罹患(りかん)率が高い理由を説明できるかもしれません」と語っています。
そこでラヴンダル氏らの研究チームは、17~95歳の被験者4726人から長年にわたって収集された1万2638枚の脳スキャン画像を使用し、経時的な脳の構造変化について調べました。被験者らは少なくとも2回の脳MRIスキャンを受けており、スキャン間隔は平均で約3年でした。
男女による脳の大きさの違いを考慮に入れて分析した結果、高齢になると生じる脳の面積や容積の減少は、女性よりも男性の脳で大きいことが判明しました。一方、女性では加齢により萎縮する領域が少なく、大脳皮質の厚さも加齢による変化が少なかったと報告されています。
以下の図は加齢に伴う大脳皮質の面積の減少度合いを示したもので、女性の脳でより多くの減少がみられた部位を黄色、男性の脳でより多くの減少がみられた部位を緑色で示しています。男性の方が、加齢に伴う面積の減少範囲が大きいことがうかがえます。

また以下の図は、加齢に伴う大脳皮質の厚みの減少度合いを示したもの。女性の脳でより多くの減少がみられた部位を黄色、男性の脳でより多くの減少がみられた部位を緑色で示しています。やはり男性の方が、厚みの減少が大きいことがわかります。

研究チームが驚いた点として、記憶や学習、認知症に深く関連している海馬における容積変化に性差が見られなかったことが挙げられています。
科学者らは脳の萎縮と疾患との関連性について理解し始めたばかりであり、場合によっては脳の萎縮が認知機能にとって有益なこともあると報告されています。
今回の研究結果は、加齢に伴う生物学的変化に性差が存在することを示唆していますが、その結果を正しく解釈するにはさらなる研究が必要不可欠とのことです。
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