Synologyが2025年10月8日に、NAS向けOSであるDiskStation Manager(DSM)のバージョン7.3をリリースしました。このアップデートでストレージの効率化やセキュリティの強化、AIを活用したコラボレーション機能などの追加が行われたほか、これまで物議を醸していたサードパーティー製ストレージに対する互換性ポリシーが一部撤回され、特定モデルの利用制限が緩和されています。
Synology® Releases DiskStation Manager 7.3, Bringing Efficient Data Tiering, Enhanced Security, and AI-Powered Collaboration | Synology Inc.
https://www.synology.com/en-us/company/news/article/dsm73
Synology walks back drive restrictions on upcoming NAS models
https://arstechnica.com/gadgets/2025/10/synology-caves-walks-back-some-drive-restrictions-on-upcoming-nas-models/
2025年4月、Synologyは2025年以降に発売されるNASの「Plusシリーズ」において、自社製またはSynologyが認定したストレージ以外の使用を制限する方針を発表しました。
Synology製NASは同社が認定したドライブ以外の使用を制限しようとしている – GIGAZINE
しかし、Synology製HDDは4TBストレージで約1万7000円、6TBストレージで約2万8000円と、サードパーティー製HDDと比べるとやや高価。より安価なサードパーティー製のストレージを導入するとストレージプールのサポート、健康状態の監視、データ重複排除、ファームウェア更新といった中核機能が利用できなくなるほか、DSMのインターフェース上に警告が表示される仕様となったことで、多くのユーザーから不評と反感を買いました。
Synologyから「他社製ストレージを制限するNAS」が発売されるもネット上では「Synologyから他社製NASに乗り換える」というユーザーが圧倒的多数 – GIGAZINE
そして、SynologyはDSM 7.3のリリースに伴い、Synologyは2025年モデルの一部のNASにおいて、サードパーティ製ドライブの利用制限を緩和しました。
具体的には2025年モデルのPlusシリーズ・Valueシリーズ・Jシリーズにおいて、Synologyによる検証を受けていないサードパーティー製のHDDやSSDのインストールおよびストレージプールの作成がサポートされるようになり、Western DigitalやSeagateといったブランドの3.5インチHDDや2.5インチSATA SSDが再び利用可能になります。ただし、M.2 SSDを使用したストレージプールやキャッシュの作成には引き続きハードウェア互換性リストに記載されているドライブが必要となります。
また、この利用制限緩和はDS725+、DS225+、DS425+、DS925+、DS1525+、DS1825+といった2025年モデルには適用されますが、ビジネス・エンタープライズ向けモデルや過去世代の製品は、引き続き従来のHCLポリシーが適用されるとのこと。
SynologyはIT系メディアのArs Tchnicaからの質問に対し、元々の目的は検証済みの構成に絞ることでシステムの信頼性を向上させることだったとしつつも、「コミュニティから柔軟性も同様に重要であるとのフィードバックがあった」と述べています。さらに、「ユーザーのフィードバックと、サードパーティー製ドライブのテストに時間がかかっていることから、より多くの選択肢を提供するためにドライブポリシーをオープンにしている」と説明しています。
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