老舗時計メーカーが7年の歳月をかけて製作した機械式時計「ラ・ケットゥ・デュ・タン」はルーヴル美術館に展示されるレベル – GIGAZINE


動画


1755年に創業したスイスの老舗時計ブランドであり、創業以来一度も途切れることなく続いてきた最古の時計メーカーでもあるヴァシュロン・コンスタンタンが、創業270周年を記念して7年の歳月をかけて製作した機械式時計「ラ・ケットゥ・デュ・タン」を発表しました。

ラ・ケットゥ・デュ・タン | ヴァシュロン・コンスタンタン
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/watches/exceptional-timepieces/la-quete-du-temps.html

「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は、古代にさかのぼる伝統を礎として時間と宇宙、そして人類の創意工夫とのつながりを探るというコンセプトで、7年の歳月をかけて製作された機械式時計です。また、従来の時計では独立した装置、あるいは付加的な装飾として用いられていたオートマトンが、計時機能の一部としてムーブメントに組み込まれているとのこと。

「ラ・ケットゥ・デュ・タン」がどのような見た目の時計になっているのかは、以下の動画を見るとわかります。

A Masterpiece Beyond Watchmaking – YouTube


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は大きな台座と中央の時計部分、そして上部のドームからなる全長107cmの機械式時計です。


内部には複雑な部品が詰め込まれており、機械式部品の総数はなんと6293個。


時間だけではなく月


日付


曜日も表示されています。


精巧な太陽のレリーフなども埋め込まれています。


天文時計は23の複雑な機構を重層的に組み込んだもの。


直径40cmを超えるガラスドームに描かれた天文図は、「ヴァシュロン・コンスタンタンが創業した日のジュネーブの空」をジュネーブ天文台の協力を得て再現したものとなっています。


また、ガラスドーム中央のオートマトンは計時機構の一部として組み込まれつつ、さまざまな動きを見せてくれます。


台座の上方にはラピスラズリやマザーオブパール、惑星を表す石などがあしらわれています。


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は単なる時計を超え、もはや芸術品の域に達しています。


YouTubeでは「ラ・ケットゥ・デュ・タン」のメイキングムービーが複数公開されています。設計に関するメイキングムービーがこれ。

Modelling Eternity – Vacheron Constantin’s ‘La Quête du Temps’ masterpiece – YouTube


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は他のどの時計とも違うものを目指して設計されました。


デザイナーやエンジニア、時計職人、アーティストなどさまざまな分野の専門家が協力して生み出されたとのこと。


技術的には複雑でありながら、美的には明快なものであることが目指されました。


こうしてオートマトンを頂点に据え、太陽系の台座を全体の基盤とする「ラ・ケットゥ・デュ・タン」が設計されたというわけです。


機械部品の組み立てについてのメイキングムービーは以下。

Charting a course to perfection – Exploring the ingenuity of ‘La Quête du Temps’ astronomical clock – YouTube


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は膨大な数の部品を組み合わせて作られるため、歯車やカム、ピボットといった各部品は最も厳しい許容誤差を満たさなくてはなりません。


時計職人らによって慎重に組み立てられていきます。


素材は耐久性、軽さなどを考慮して選定されました。


これらの部品が適切に連動することで、「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は時を刻みます。


以下は「ラ・ケットゥ・デュ・タン」の頂点部にあるオートマトンに関するメイキングムービーです。

Where Time springs to life – The automation of ‘La Quête du Temps’ astronomical clock – YouTube


計時機構の一部となっているオートマトンは、頭を上げて視線で星座を探し、指で適切な時刻を指し示します。


正確性が求められるオートマトンの身ぶりを制御するため、実に158個のカムで動きが誘導されており、オートマトンは144ものポジションを取ることが可能。


足元にあるチャイムが鳴らすのは、フランスのミュージシャン兼芸術監督のヨアン・ルモワンヌ(Woodkid)氏が特別に作った曲です。


表面の装飾に関するメイキングムービーが以下となっています。

La Quête du Temps: A monument to horological and artistic mastery – YouTube


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は芸術品のような美しさを持った機械式時計です。


表面のレリーフは彫刻師たちによる繊細な手作業によって彫られています。


さらに宝石のセッティング職人により、星座のようにきらめく宝石が埋め込まれました。


台座には夜空のようなラピスラズリが広がっています。


各惑星をイメージした石がはめ込まれました。


こうした職人らの共同作業により、「ラ・ケットゥ・デュ・タン」の美しさが生み出されたというわけです。


「ラ・ケットゥ・デュ・タン」は2025年9月17日から11月12日まで、ルーヴル美術館で開催されている時計展覧会で展示されています。

Exhibition at le Louvre | Vacheron Constantin
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/watches/exceptional-timepieces/la-quete-du-temps/louvre-exhibition.html

A milestone partnership between Vacheron Constantin and the Musée du Louvre – YouTube

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