「テスラ車内に閉じ込められる事故」を受けテスラがドアハンドルの再設計に取り組む – GIGAZINE


イーロン・マスク氏の電気自動車メーカーであるテスラが、ドアハンドルの再設計に取り組んでいるとBloombergが報じています。

Tesla Is Redesigning Door Handles That Drew Scrutiny Over Safety – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-09-17/tesla-is-redesigning-door-handles-that-drew-scrutiny-over-safety


Tesla is redesigning its door handles following safety probe, Bloomberg investigation | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/09/17/tesla-is-redesigning-its-door-handles-following-safety-probe-bloomberg-investigation/

記事作成時点でのテスラ車のドアハンドルは、車内の乗員が閉じ込められてしまう事件を受け、批判の的となっています。

テスラ車のドアハンドルが問題視されるきっかけとなった事件のひとつが、テスラ車のオーナーが「車両のバッテリー切れで高温になった車の中に閉じ込められてしまう」というもの。テスラ車にはバッテリーが切れた状態でもドアを開くためのレバーが搭載されていますが、このレバーは一見レバーと認識することが難しくなっているため、多くのドライバーが手動レバーの存在に気づいていないと指摘されています。

テスラ車のオーナーが「バッテリーが切れて高温になった車の中に閉じ込められた」と訴える – GIGAZINE


実際、テスラ車両のひとつであるモデルYには運転席側の前方ドアハンドル下部に手動でドアを開けるためのラッチがありますが、どこにラッチがあるのかは非常にわかりづらくなっています。

後部座席のドアハンドルの場合、ポケットの底部に敷かれているマットをどかし、赤いタブを引っ張る必要があります。

テスラで長年にわたってデザイン責任者を務めているフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏によると、同社は別々に配置されている電子式のドア開放機構と手動のドア開放機構を一体化するべく検討を進めているそうです。

ホルツハウゼン氏はBloombergのポッドキャスト番組である「Hot Pursuit!」のインタビューで、「電子式と手動式の(ドア開放機構)両方をひとつのボタンに統合するという考えは、とても理にかなっていると思います」「これは現在、私たちが取り組んでいることです」と語りました。

Bloombergの調査によると、テスラ車のバッテリーが切れた後にドアを開けられず乗員が負傷したり亡くなったりした事件が明らかになった後、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)はテスラ車のドアが引っかかったり開かなくなったりしたという苦情を140件以上受けています。


2025年9月の第3週、NHTSAは一部のテスラのドアに欠陥がないかの調査を開始しました。調査の発端となったのは、外側のドアハンドルが作動せず、子どもが車内に閉じ込められた事例などです。調査は2021年式のモデルY(17万4290台)を対象としており、NHTSAは「テスラのドアロックへの給電方式や電源の信頼性」も評価予定となっています。

ホルツハウゼン氏はテスラがドアハンドルの再設計に至った具体的な理由について明言しておらず、テスラも記事作成時点でドアハンドルの再設計についてコメントの要請に応じていません。

ホルツハウゼン氏はテスラで17年にわたって車両のデザインを担当してきました。また、テスラがカリフォルニア州ロサンゼルスにオープンしたテスラダイナーのデザインも主導しています。


テスラ車には車内に手動式のドア開放装置が備えられていますが、その位置はモデルや年式によって異なり、特に後部座席のドア開放装置は非常にわかりづらいです。外側のドアハンドルも、車両がバッテリー切れした際に作動しなくなるケースがあります。

このようなドアハンドルのデザインは、テスラに限ったことではありません。テスラは「ドア面とツライチなハンドル」など特有のデザインを普及させてきました。一方で、設計が救出活動に支障をきたすケースや、乗員が慣れていない手動レバーを探さねばならないケースが生じることがあると、批判されることもあります。

テスラ車は政府の衝突安全試験では高評価を得ていますが、これらの試験は主に衝突時の安全性を評価するものであり、事故後に乗員が車両から安全に脱出できるかどうかについては評価していません。中国ではドアハンドルを完全に隠すような設計を禁止する動きがあり、ヨーロッパでは事故後の救出体制改善に向けた対応が進んでいます。

テスラのCybertruckが運輸省道路交通安全局の衝突安全評価で最高の五つ星を獲得 – GIGAZINE

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