
MicrosoftはWindows向けのお絵描きアプリ「ペイント」に、制作中の作品を編集可能なプロジェクトファイルとして保存する「プロジェクトとして保存」を追加することを発表しました。そのほかペイントの鉛筆ツールとブラシツールの透明度を調整可能な不透明度スライダーも追加されており、一般提供前のWindowsの新機能を試すことができるWindows Insider Program向けに配信されます。
Paint, Snipping Tool, and Notepad app updates begin rolling out to Windows Insiders | Windows Insider Blog
https://blogs.windows.com/windows-insider/2025/09/17/paint-snipping-tool-and-notepad-app-updates-begin-rolling-out-to-windows-insiders/
Windows標準アプリのペイントは鉛筆やブラシ、塗りつぶし、図形ツールなど基本的な機能を利用可能ですが、1枚の紙に絵を描くことを前提としているため、複雑な作業を行うには不向きとなっていました。しかし近年、Microsoftはペイントの機能強化に力を入れており、背景を1クリックで切り抜く機能のほか、Adobe Photoshopのようにレイヤーを管理できる機能、Copilotを使ってAIによる画像生成や背景の削除などを可能にする機能などを追加しています。
Microsoftはさらに、クリエイティブワークフローの柔軟性を高める2つの強力な機能強化を導入したペイントの「バージョン 11.2508.361.0」をWindows Insider Program向けに公開しました。
バージョン 11.2508.361.0で追加された新機能の1つ目は、作品を編集可能なペイントプロジェクトファイルとして保存し、中断したところからシームレスに再開できる「プロジェクトとして保存」です。従来は、ペイントで制作したデータは「名前を付けて保存」からJPEGやPNGなどの画像データで出力することしかできませんでしたが、新たに「プロジェクトとして保存(Save as project)」がメニューに追加されており、「.paint」という拡張子のファイルが保存できるようになっています。
ペイントではAdobe Photoshopのようにレイヤー分けをして描画できるようになっていますが、複数レイヤーで作成したデータは画像として保存できるのみでした。一方で、「.paint」のプロジェクトファイルにはレイヤー情報も保存されているため、Adobe Photoshopの「PSDファイル(.psd)」のように、作業データを保存して続きから再開することができます。MicrosoftのWindows向けアプリ担当プリンシパルプロダクトマネージャーであるデイヴ・グロチョッキ氏は「作業に戻る準備ができたら、ファイルを開いてペイントを起動するだけで、中断したところからすぐに作業を開始できます」と説明しています。
2つ目の新機能として、鉛筆ツールとブラシツールの不透明度を調整する「不透明度スライダー」が追加されました。従来のペイントでは、鉛筆ツールやブラシツールを選択すると、左側に鉛筆やブラシの太さを調整するスライダーが表示されていました。バージョン 11.2508.361.0では、太さを調整するスライダーの下に、不透明度のレベルを調整できるスライダーが表示されています。
そのほか、Snipping Toolの更新プログラムもWindows Insider Program向けに提供されています。Snipping ToolはWindowsキー+Shift+Sで起動できるキャプチャツールで、画像でキャプチャするか動画でキャプチャするかの選択、画像の場合はキャプチャ範囲をフリーで選択するか全画面かなどのオプションを選択できます。Snipping Toolの新バージョン「11.2508.24.0」では、メニューに「クイックマークアップ」が追加されました。
クイックマークアップを用いると、Snipping Toolを使ってキャプチャ範囲を選択した後に、キャプチャにペンや蛍光ペン、消しゴム、図形や絵文字などマークアップや編集を加えることができるようになります。クイックマークアップには「Bingでビジュアル検索」「Copilotに質問」というオプションもあり、AIを活用してワークフローを効率化することもできます。
さらに、Copilotをローカルで実行できるPC「Copilot Plus PC」のユーザー向けに、Windows標準の「メモ帳」で要約や書き込み、書き換えなどのAI機能を使える「バージョン 11.2508.28.0」が公開されました。記事作成時点では、メモ帳のAI機能は英語のみに対応しています。
ペイントやSnipping Toolの新機能は、Windows Insider Programに参加することで使用することができます。
The Windows Insider Program
The Windows Insider Program
https://www.microsoft.com/ja-jp/windowsinsider/
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