「Firefox 143」正式版リリース、Windows版で「ウェブアプリ」機能のサポートが追加 – GIGAZINE


ウェブブラウザ「Firefox 143」の正式版が公開されました。Windows版ではウェブサイトをデスクトップアプリのように実行できる「ウェブアプリ」機能がサポートされ、さらにタブのピン留めやフィンガープリンティング保護機能の拡張、色指定HTML要素の機能強化など、多数の機能追加が行われています。

Firefox 143.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.firefox.com/en-US/firefox/143.0/releasenotes/

◆ウェブサイトをウェブアプリとして実行するためのサポートを追加
Windows版で、ウェブサイトをデスクトップアプリのように実行できる「ウェブアプリ」機能のサポートが追加されました。これにより、ユーザーはお気に入りのウェブサイトを独立したウィンドウで開き、タスクバーやスタートメニューにピン留めすることが可能になります。ウェブアプリはオフラインでも動作し、通知やファイルアクセスなど、一部のネイティブ機能も利用できるため、ウェブサービスをより便利に利用できます。また、使い慣れたアドオンをそのまま利用できるメリットもあります。

ウェブサイトをウェブアプリとしてインストールするには、サイトを表示した状態でアドレスバーの右端にある「タブをタスクバーに追加」ボタン(赤枠で囲ったボタン)をクリックします。


すると、タスクバーにそのサイトのアイコンが表示されます。


また、スタートメニューを開くと、Windows 11の場合はウェブアプリ化したサイトのアイコンが表示されています。Windows 10では「Firefox ウェブアプリ」というフォルダが作成され、その下にウェブアプリ化したサイトのアイコンが格納されます。


タスクバーやスタートメニューのアイコンをクリックすることで、ウェブアプリ化したサイトを独立したウィンドウとして開くことができます。通常の表示とは異なり、タイトルバーが表示されていないのが特徴。一方でアドレスバーや拡張機能ボタンは引き続き表示されており、翻訳アドオンやCookie管理アドオンなどをそのまま使うことができます。


アドレスバーの右端に配置されている「タブをタスクバーから削除」ボタンをクリックすると、ウェブアプリがアンインストールされ、タスクバーやスタートメニューからアイコンが消去されます。


なお、記事作成時点ではMicrosoft Storeを通じてインストールされたFirefoxではウェブアプリ機能を利用できません。

◆タブのピン留め
タブをタブストリップの先頭にドラッグすると、タブをピン留めできるようになりました。


これにより、頻繁に訪れるサイトに簡単にアクセスできるようになりました。


◆フィンガープリンティング保護機能を拡張
ブラウザの高機能化に伴い、OS・アプリケーション・ハードウェアといった使用環境がブラウザの動作に影響を与える部分が増え、ユーザー識別を容易にする「フィンガープリンティング」技術の悪用が増加しています。こういったセキュリティリスクを踏まえ、今回の更新でフィンガープリンティングを防止するための保護機能が拡張され、ユーザーのプライバシー保護が強化されました。

Firefox’s protection against fingerprinting | Firefox Help
https://support.mozilla.org/en-US/kb/firefox-protection-against-fingerprinting

フィンガープリンティング対策機能は強化型トラッキング防止機能を「厳格」に設定しているか、「カスタム」で任意に有効化している場合に実行されます。「厳格」に設定している場合、通常のブラウンジング時は「既知のフィンガープリント採取」がブロックされ、プライベートブラウジング時は「既知のフィンガープリント採取」と「疑わしいフィンガープリント採取」がブロックされます。

「カスタム」の場合の設定手順は次の通り。まず設定画面を開き、「プライバシーとセキュリティ」タブの「強化型トラッキング防止機能」セクションで「カスタム」を選択します。


カスタムオプションから「既知のフィンガープリント採取」と「疑わしいフィンガープリント採取」のオン・オフを切り替えられます。また、「疑わしいフィンガープリント採取」についてはプライベートウィンドウのみで動作させるかすべてのウィンドウで動作させるかを選択できます。


もしフィンガープリンティング保護によりサイトが正常に動作しない場合は、アドレスバーのシールドアイコンをクリックして表示されるパネルで「強化型トラッキング防止」のスイッチをオフにすると、このサイトのみで保護機能が無効になります。


◆色指定ユーザーインターフェース要素の機能強化
要素のvalue値に、従来から使用可能であった16進数形式カラーに加えて、CSSカラー形式も使用可能になりました。例えば、blackといった色名や、rgb(255,0,0)といったRGB形式を用いた色設定が可能です。


◆その他の更新
Microsoft Copilotチャットボットとして利用可能に
・サイトがカメラへのアクセスを要求した際に、許可ダイアログ内でプレビュー可能に
・アドレスバーに重要な日付やイベントが表示されるように(アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア向け)
・Android版で、ブラウザを閉じたり再起動したりしたときに永続的な通知をタップすると、関連するウェブページを正しく開くよう変更
・プライベートブラウジングモード中にダウンロードしたファイルについて、セッション終了時に保持するか削除するかを確認するように(設定で無効化可能)
・Windows UIオートメーションをサポート
・Windows 11 22H2+・macOS・Android 9+にて、xHE-AACオーディオ再生をサポート
・CSSグリッドのサイズ調整アルゴリズムを更新
::details-contentCSS疑似要素の実装により、

要素の折り畳みコンテンツに対するスタイル指定が可能に

また、Firefox 143には2件のセキュリティバグフィックスが含まれています。

なお、次期メジャー版となる「Firefox 144」は現地時間の2025年10月14日(火)にリリース予定です。

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