ゲームキューブ「どうぶつの森」のセリフをAIに生成させて置き換える「Animal Crossing LLM Mod」 – GIGAZINE


開発者のJosh Fonseca氏が、ニンテンドーゲームキューブの「どうぶつの森」の住民との会話を、大規模言語モデル(LLM)を用いてリアルタイムで生成するModAnimal Crossing LLM Mod」を開発しました。このModはゲームのソースコードを一切変更しておらず、ゲームキューブのエミュレーター「Dolphine」のメモリを直接操作することで実現されています。

I Replaced Animal Crossing’s Dialogue with a Live LLM by Hacking GameCube Memory
https://joshfonseca.com/blogs/animal-crossing-llm

GitHub – vuciv/animal-crossing-llm-Mod: AI-powered dialogue generation for Animal Crossing villagers using LLMs
https://github.com/vuciv/animal-crossing-llm-Mod

I Replaced Animal Crossing’s Dialogue with a Live LLM by Hacking GameCube Memory
https://simonwillison.net/2025/Sep/10/animal-crossing-llm/

Animal Crossing LLM Modはまず、Dolphin上で動作する「どうぶつの森」のメモリをPythonスクリプトで常に監視します。住民との会話が始まると、話しているキャラクターの名前と会話内容をメモリから読み取ります。次に、その情報をGoogle GeminiやOpenAIといった外部のLLMに送信し、キャラクターの性格や会話の文脈に沿った新しい対話を生成させます。

生成されたテキストは単なる文字列ではなく、「どうぶつの森」内での会話の終了、ポーズ、文字の色、キャラクターの表情などを指定する特殊な制御コードを含む形式にエンコードされます。このエンコードされたデータがゲームのメモリに直接書き込まれることで、AIが生成した会話がゲーム内で自然に表示される仕組みです。


LLMからの応答には数秒かかるため、即座に会話を置き換えることはできません。この問題を解決するため、Modはまずゲームを数秒間一時停止させる制御コードをメモリに書き込みます。この時間を利用してLLMが応答を生成し、完了次第新しい会話内容に差し替えるという手法が用いられています。

実際にAnimal Crossing LLM Modを動作させて「どうぶつの森」の住人にLLMを使って会話をさせている様子は、以下のムービーで確認できます。

I Replaced Animal Crossing’s Dialogue with AI by Hacking GameCube Memory – YouTube


Animal Crossing LLM Modは、創造的な対話を作成する「ライター」と、その対話にポーズや表情などの演出を加える「ディレクター」という2つのLLMで構成されています。ライターには、有志が作成したファンダムWikiから取得したキャラクターの性格シートや、外部のニュースフィードの情報が与えられ、より深みのある会話を生成します。

この仕組みにより、住民たちが時事ニュースについて語り始めることもあるそうです。


また、動画では住民間で過去の会話内容を記憶して噂話をしながら、たぬきちの商売に不満を示して反旗を翻すように訴えることも。なお、ソースコードには、住民が「たぬきちに組まれたローンは搾取である」と気づくよう促すプロンプトも含まれているそうです。


このプロジェクトの全コードはGitHubで公開されています。ただし、これは実験的なソフトウェアであり、記事作成時点ではmacOSのみの対応となっています。Fonseca氏は、バグ修正やWindowsやLinuxへの対応、メモリ読み取りの安定性向上など、コミュニティからの貢献を歓迎しています。

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