Appleは医療機器メーカーのMasimoから「Apple Watch Series 6に搭載された血中酸素ウェルネス機能は、自社が持つ血中酸素飽和度測定機構の特許を侵害している」と訴えられた影響で、アメリカで販売されているApple Watchに血中酸素濃度測定機能を搭載することができなくなっていました。しかし、2025年8月14日にリリースされたiOS 18.6.1およびwatchOS 11.6.1で、AppleはアメリカのApple Watchユーザー向けに「再設計された血中酸素濃度測定機能」をリリースし、再び血中酸素濃度測定機能が利用可能となっています。この「再設計された血中酸素濃度測定機能」に対して、Masimoが再びAppleを訴えました。
Masimo Sues Customs Over Apple Watch’s Restored Oxygen Tool (1)
https://news.bloomberglaw.com/daily-labor-report/masimo-sues-us-customs-over-apple-restoring-watchs-oxygen-tool
Appleは2021年6月にMasimoから訴えられ、アメリカで販売するApple Watchに血中酸素濃度測定機能を搭載することができなくなりました。しかし、2025年8月になってAppleは「再設計された血中酸素濃度測定機能」をリリースしたことで、アメリカユーザーの間でも再び血中酸素濃度測定機能が利用可能となっています。Apple Watchの血中酸素濃度測定機能を巡るこれまでの経緯は、以下の記事にまとめてあります。
watchOS 11.6.1でApple Watchの血中酸素濃度測定機能が復活 – GIGAZINE
Appleが「再設計された血中酸素濃度測定機能」をリリースすることとなったのは、2025年8月1日に税関・国境警備局(CBP)が一方的にこれまでの決定を覆したためです。
しかし、2025年8月20日(水)にMasimoはコロンビア特別区連邦地方裁判所に訴状を提出し、CBPによる決定は権限を逸脱したものであると訴えました。Masimoは行政手続法およびアメリカ合衆国憲法修正第5条の適正手続き条項に基づき訴訟を起こしています。
CBPの方針では、こうした決定は通常、双方の意見を聴取する必要があるとされています。しかし、MasimoはAppleが「再設計された血中酸素濃度測定機能」をリリースするまでCBPが決定を覆したことを知らなかったとのこと。
Masimoは訴状の中で、CBPが8月1日に裁定を覆したのとほぼ同タイミングで、Appleがアメリカに6000億ドル(約88兆4000億円)を投資すると発表したことを指摘しています。
Appleがアメリカ国内への88兆円超えの投資を発表、iPhoneの強化ガラスは100%アメリカ製になりトランプ大統領にはガラスと金の記念品を贈る – GIGAZINE
MasimoはCBPによる8月1日の判決の執行を差し止めるため、仮差し止め命令と仮処分命令を裁判所に申し立てています。Masimoはこれまで同様「血中酸素濃度測定機能の無効化を条件にアメリカへの輸入を認める」というこれまでの判決を復活させたい思惑です。
Masimoは、CBPの一方的な決定は職務からの「異常な逸脱」であり、「例外的な状況がない限り対審的な手続きを要求する」というCBP自身の方針に違反していると主張しています。
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