AnthropicのAI「Claude Sonnet 4」が100万トークンのコンテキストをサポート、7万5000行超のコードや数十の論文を1度に処理可能 – GIGAZINE


Anthropicの生成AI「Claude Sonnet 4」が、Anthropic APIで最大100万トークンのコンテキストをサポートしました。これは従来の5倍のトークンで、7万5000行を超えるコードや数十の研究論文を含むコードベース全体を1度のリクエストで処理可能となります。

Claude Sonnet 4 now supports 1M tokens of context
https://www.anthropic.com/news/1m-context


Claude Sonnet 4のロングコンテキストサポートは、Anthropic APIおよびAmazon Bedrockでパブリックベータ版として提供されています。今後、Google CloudのVertex AIでも提供予定となっており、他のClaude製品でのロングコンテキストの導入についても検討を進めているとのこと。

より長いコンテキストに対応することで、開発者はClaudeを使って以下のようなデータ集約的ユースケースを実行できるようになるとAnthropicは主張しています。

・大規模なコード分析
ソースファイル、テスト、ドキュメントを含むコードベース全体を読み込み、分析することが可能。Claudeはプロジェクトのアーキテクチャを理解し、ファイル間の依存関係を特定したり、システム設計全体を考慮した改善を提案したりすることが可能です。

・ドキュメント統合
法的契約書、研究論文、技術仕様書といった膨大なドキュメントセットを一括で処理することが可能。完全なコンテキストを維持しながら、数百ものドキュメント間の関係性を分析することができます。

・コンテキスト認識型エージェント
数百ものツール呼び出しや複数ステップのワークフローにわたってコンテキストを維持するエージェントを構築することも可能。一貫性を損なうことなく、完全なAPIドキュメント、ツール定義、インタラクション履歴を組み込むことができます。

Claude Sonnet 4が最大100万トークンのコンテキストをサポートしたことで、Anthropic APIでのClaude Sonnet 4の価格は「20万トークンを超えるプロンプトに対して」のみ調整されることになります。20万トークン以下のプロンプトは入力が100万トークンあたり3ドル(約440円)、出力が100万トークンあたり15ドル(約2200円)ですが、20万トークン超のプロンプトは入力が100万トークンあたり6ドル(約890円)、出力が100万トークンあたり22.5ドル(約3300円)です。


実際に最大100万トークンのコンテキストをサポートしたClaude Sonnet 4を利用した顧客からの声も紹介されています。

Claudeをブラウザベースの開発プラットフォームに統合することで、ウェブ開発の変革を目指すBolt.newのエリック・シモンズCEOは、「Claude Sonnet 4は、コード生成ワークフローにおいて当社の主力モデルであり、実稼働環境において他の主要モデルを常に凌駕しています。100万コンテキストウィンドウの採用により、開発者は実世界のコーディングに必要な高い精度を維持しながら、はるかに大規模なプロジェクトに取り組むことができるようになりました」と言及。

会話を実行可能コードに変換するAIパートナー・Maestroを開発するiGent AIのショーン・ワードCEOは、「かつては不可能だったことが現実になりました。100万トークンのコンテキストを備えたClaude Sonnet 4は、iGent AIのソフトウェアエンジニアリングエージェントであるMaestroの自律機能を大幅に強化しています。この飛躍的な進歩により、実際のコードベースで数日間のセッションを行うなど、真のプロダクション規模のエンジニアリングが可能になり、エージェント型ソフトウェアエンジニアリングにおける新たなパラダイムが確立されます」と語っています。

なお、Anthropicは2025年8月12日に、Claudeに過去の会話を検索する機能を追加しました。つまり、いつでも過去の会話をベースにClaudeとの会話を続けることができるようになったというわけです。

Understanding Claude’s Personalization Features | Anthropic Help Center
https://support.anthropic.com/en/articles/10185728-understanding-claude-s-personalization-features

ただし、会話検索機能は記事作成時点ではMax、Team、Enterpriseといった有料プランユーザー向けに展開されており、今後、他プランユーザー向けにも展開される予定となっています。

実際に会話検索機能を使う様子を収めた動画も公開されており、使用イメージがわくはずです。

Pick up where you left off with Claude – YouTube

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