アメリカではさまざまな州で大麻の合法化が進められていますが、それに伴って大麻の有効成分による予期しない中毒が発生するケースも増えています。アメリカのウィスコンシン州にあるレストランでピザやサンドイッチなどを食べた客85人が、大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)の中毒になってしまう事態が発生しました。
2024年10月24日、ウィスコンシン州の救急医療サービスがマディソン&デーン郡公衆衛生局(PHMDC)に対し、10月22日以降に同じレストランで食事をした7人の患者をめまいや眠気、不安といった症状で地元の病院に搬送したと報告しました。
救急医療サービスは一酸化炭素中毒を疑い、症状を報告した人々が住んでいた家や、これらの患者が食事をしたレストラン「Famous Yeti’s Pizza」で一酸化炭素濃度を調べましたが結果は問題なかったとのこと。
また、10月23日にピザを食べたある患者は、THCを摂取した覚えがないのにTHCの陽性反応が出たことをPHMDCに報告しました。これらの報告を受けて、PHMDCはFamouse Yeti’s Pizzaの調査を実施しました。
調査の結果、Famous Yeti’s Pizzaは10月22日に食用油を切らしてしまい、他の店舗と共用のキッチンにあった油を使用していたことが判明。さらに、共用キッチンを使用していた別の店舗では、州の認可を受けて大麻由来のTHCを使った食品を製造しており、事業者はTHCを食用油に入れて料理に使っていたこともわかりました。PHMDCがこの食用油を調べたところ、THCの陽性反応が出たとのこと。
以下の写真が、Famouse Yeti’s Pizzaと同じ共用キッチンを使っていた事業者のTHC入り食用油です。Famouse Yeti’s Pizzaのオーナーは、この油を普通の食用油だと誤認してしまい、そのまま料理に使ってしまったというわけです。

PHMDCはこの調査結果を受けて、Famouse Yeti’s Pizzaで10月22日~24日に提供された料理にTHCが混入していた可能性があるとの声明を発表。めまい・血圧上昇・心拍数増加・吐き気・嘔吐(おうと)・不安・パニック発作・妄想・幻覚・短期記憶障害・時間感覚のゆがみ・眠気といったTHC関連の症状がみられる場合、医療機関に連絡するよう呼びかけました。
最終的に、Famouse Yeti’s Pizzaでピザやガーリックブレッド、チーズブレッド、サンドイッチなどを食べた85人の患者がTHC中毒であると診断されました。患者の年齢は1歳~91歳と非常に幅広く、8人は18歳未満の子どもだったとのことです。
なお、警察の捜査によって料理へのTHC混入は意図的なものではなかったと結論付けられており、刑事告訴は行われませんでした。Famouse Yeti’s Pizzaはウィスコンシン州食品法の基準に従って清掃と消毒を行った後、10月26日に営業を再開しています。

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